クリスマス・イヴは2日後ですか。
学生から20代にかけて、この時期「何もない」のに
「何かを期待して」一人で舞い上がっていたコイズミです。
我が家唯一の飾り。
お子さんのいるご家庭では家族団欒の楽しいイベントですね。
子供がいなくても夫婦で素敵なホーリーナイトを、
みたいなことを私も少しばかりは考えたりしますが
何せ行事に無関心の夫(わかり易く言えばディズニーと対極の男)。
バレンタインにハート型の人参をシチューに入れたら
「余計なことをするな」となじられる。
私の誕生日には何が欲しいか訊ねてくれたり、
喜びそうなプレゼントを一生懸命考えたりするでもなく現金一万円。
11月の結婚記念日に出かけたのは奇跡だったのでしょうか。
今年のクリスマスはケーキの予約をしているけれど
イヴの晩飯が干物だとしても文句は出ないであろうコイズミ家。
それは一人でワクワクして馬鹿を見た、昨年のクリスマスが教訓。
フィンランドのサンタクロースから手紙が届く企画を耳にしたことはありませんか。
贈る側からすれば大切な人へ、サンタさんからのメッセージを介して自分の思いを伝えられるサプライズ込みの素敵な企画。
私は昨年申し込みました。
結婚したばかりの夫へ。
彼はエアメールなど受け取ったことがなく
まして知らぬ間に申し込んでいたなんて、
きっと驚いて喜んでくれるだろう。
一年前、まだ正職員だった私は夫よりも帰宅時間が遅かったので
彼が先にポストを覗いて見つけてくれることも分かっていました。
サンタクロースからのメッセージの下には希望すれば自分の気持ちを入れることもできたので、暗に私からであると気付くように
「結婚して初めてのクリスマス ずっと幸せでいられますように」
と載せることにしました。
そして、その日がやってきました。
夜8時をまわって帰宅した私。
私の顔を見ると照れくさそうに笑いながら「ありがとう」。
フィンランドから素敵な手紙が届いたよ。
どうしたの、いつ送ったの?
嬉しいよ。
・・・・・とかって妄想が先走りしていたのね。
「ただいま」と部屋へ入ると普段と何ら変わらぬ様子。
あれ?まだ届いていないのかなと思いつつ、
テーブルに視線を向けて愕然としました。
「これって」
置かれているのはビリビリと無造作に開けられた封筒。
そこにはAIR MAILの文字とかわいい外国製の切手。
「あ~、なんか怖い手紙がきたんだよね」と夫。
「えっ」とたじろぐ私に
「送り主も英語で書いてあって外国からなのに俺の名前を知ってる。それに結婚したことまで知っているなんておかしい!スッゲー怖いんだけど?
真顔で怒りまくる夫。
あら手のDMか、ストーカー並の嫌がらせか。
兎も角、目の前の君は物凄い見当違いのヨミをしている。
「かわいい妻から」以前の問題で、
サンタの存在すら眼中にないではないか。
だけどもだっけっど、
喜ぶ顔が見たくて、幸せな気持ちになりたくて
ドキドキしながら今日を待ちわびていたのに。
そんなファンシーな私って街角ピエロ。
「それ、私なの」
やっとこ小さな声で言った途端、切なさがこみ上げてきて
おいおいと泣き出してしまったのでした。
ああ、それからは夢は見ないようにしています。
だって傷つくのは自分だからね。
今年も秋口に「サンタクロースからの手紙を贈りませんか」と案内が届きました。
目も通さず処分でした。
↑これが現物。