テーマ:中学校って・・・(602)
カテゴリ:社会
今回のテーマはバイオエタノールです。
バイオエタノールとは再生可能な資源から発酵して作られるエタノールのことで、バイオマスエタノールとも言います。 バイオエタノールでないエタノールは石油中のエーテルから合成法で作られるエタノールで合成エタノールといわれます。 化学的にはほぼ同等ですが、合成エタノールは化石燃料から作られるので放射性同位体の炭素がなく、バイオエタノールには今現在存在する炭素と同じ割合で放射性同位体が含まれています。 なぜ、バイオエタノールが注目を集めているか。それは特に自動車用燃料として石油代替可能なものだからです。これには大きく三つのメリットがあり、 ☆原油が高騰したり枯渇しても利用可能 ☆ここ100年の間に空気中に存在する二酸化炭素を同化してできたものを原料としているので、京都議定書の温室効果ガスを出す燃料とみなされない =カーボンニュートラル ☆地下資源がない国でも燃料を自国で調達可能 ことに日本のように地下資源に乏しい国では魅力的な方法と言えます。 現在の技術ではコスト面で太刀打ちできるのはブラジルの砂糖きび由来のバイオエタノールのみでしょう。アメリカでもトウモロコシ由来のバイオエタノールの生産が拡大していますが、トウモロコシの需要を拡大してトウモロコシ農家を保護する目的が主と思われます。 地球温暖化防止京都会議で横を向いたようなアメリカが、カーボンニュートラルを主な理由にするとは思えないなあ。 ヨーロッパのバイオマス燃料はバイオディーゼルが主です。ヨーロッパではクリーンディーゼルと呼ばれる低公害型のディーゼル車が普及しており、軽油と混合可能な菜種油やヒマワリ油由来のディーゼル燃料が普及しています。 日本ではコスト面がネックになって、バイオマス燃料の普及が遅れています。京都市バスなどで天ぷら油を燃料として走るバスがあるそうです。 バイオ燃料の一番大きな問題は食糧と拮抗することです。 砂糖、トウモロコシ、菜種油、どれも食糧です。従って、バイオマス燃料の需要が増えると食糧価格も同時に上がることになります。例えばブラジルではエタノール価格が上がったために砂糖きびを栽培する農家が増え、オレンジの栽培が落ち込みました。すると砂糖だけでなくオレンジジュースの価格も上がることになるのです。 そこで第二世代のバイオマスエタノールとして食糧と競合しないセルロース(古紙とか木とか建築廃材とか稲わらとか)を原料にしたエタノールの開発が急ピッチで進んでいます。日本でもNEDO、新エネルギー・産業技術総合開発機構が鹿児島県出水市でエタノールを発酵生産していますが、各地で実証実験が進んでいます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.08.18 23:08:45
コメント(0) | コメントを書く
[社会] カテゴリの最新記事
|
|