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長谷川宏さんという、在野の哲学者が書かれた本です。教育者としても在野で活躍なさっています。
論理に無理がなく、高校生を意識なさっているので程よい歯ごたえで、自然体に今を説いています。バックグラウンドにはヘーゲル哲学があると思われます。 学生時代に背伸びして、カント、ショウペンハウエル、ヘーゲルと訳書に挑み、ことごとく敗北しました。しかし、さっぱりわからないなりに論理が一番明晰なのはヘーゲルかなあ・・・と感じました。そのヘーゲルを背景に、未来ある人に温かい眼差しを向けています。 子供達に必要不可欠な遊びにわざわざ章を割いていることや思春期に必ずぶち当たるアイデンティティの話題を真っ先に語る。子供達と長年語り続けてもっとも重要だと思われたのでしょう。私も稚拙ながら説明しなくてはならない場面に何度かあいました。思春期には哲学が必要なのです。 筆がが走っていると思ったのは第5章の「老いと死」です。私も中年になり自分に老いを感じ始めているからでしょう。効率至上主義と高齢化社会は相入れない。人権尊重は近代社会の基本思想である以上、高齢者の切り捨ては許されない。緩やかな老若交流(崖の上のポニョに出てきた保育園のようなもの?)が提案されています。 高校生だけでなく、大人にもお勧めです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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