カテゴリ:入試
やはり技術者の中では他の資格に比べて修士の意味は大きい。
少なくとも、製薬メーカーでは最低限修士、できれば博士という風潮が感じられた。 以前の仕事で「苔むさず博士」と呼ばれて「私は博士ではありません」と答えたら、私の書いたメールの返事が急に上司宛に来るようになり、上司へは to で、私には今まで to だったのが cc になったことがある。その後何回かやり取りをしていて、実務は私しかやってない、とわかった時点でまた to に戻ったけどね。 食品は現場サイドでは学部卒、修士は”試される” 便所そうじやどぶ掃除をさせられて、汚れ仕事も厭いません、というアピールができたら、そこからやっと現場と話ができる。で、やっぱり研究・開発分野では修士が欲しいと言われる。食品は待遇が低いから、修士は少ないけどね。でも研究所は修士・博士が多い。ある食品メーカーは博士しか研究員として取らないので有名。修士は「将来、論文博士を取る見込みがあれば」採用する。学士はアシスタント。 もちろん、学士を研究員としてとる食品メーカーさまもあり。そういう企業様は修士を雇う給与を出さない。だから修士が検討先からはずす。 化学メーカーでは、分析部門では実働部隊は高卒が多かった。つまり細かい器用さが必要な作業は若いうちに企業教育で叩き込むということ。技術部門では若手は100%修士、しかも旧帝大系の修士だった。 ある電気メーカーでは、学部卒は40代以上だけ。30代以下は全員修士か博士だった。 つまり、学部卒でも頑張ったら認めてくれるシステムがある会社もあるけれど、今はどこも「即戦力」を求めているので、教育しているゆとりがない。大学院の進学率も上がり、定員も増えている。40代以上の学部卒のステータスは35歳以下では修士以上に移っている。 本当に若い人は修士を取る人が増えた。今は修士はアドバンテージにはならず、学部卒がディスアドバンテージになる時代になった。これって化学系限定の現象とは思えないなあ。化学系の進学率は高いから、他よりもその傾向は先鋭的に出ているかもしれないし、機械系は大学院でやるより早く実学をやった方がいいという傾向はある。でもこないだ工学部の話を聞いた限りでは、進学率は恐ろしい勢いで上がっている。化学系は9割、機械系は7割。つまり、修士はディスカウントされている、学士はさらにディスカウントされてしまっているということは言える。 年代ごとに持っているものも求められるものも、社内教育で与えられるものも変わってきている。 若い人の危機感は当然だと思う。うちの子も大学+大学院で6年行くこと前提で話しをしないといけない。 時間をかけて仕事で能力を説明できるならいいけれど、書類選考の段階だと、同じような条件なら学部卒と修士だと修士が残される。 もちろん、違う条件なら違う。専門性が高くて腕が良ければ、修士よりも学士よりも高卒が残ることもある。実際にあった。 そんなに求められている修士の能力って、自分で文献を探してきて、読んで、必要な実験系を組み立てて証明する能力なんだ。探して読む過程で英語は必要だね。そして英語で書く能力。私はそこは自分の専門以外できないからダメなんだ。医薬品の許認可の書類の英語とかわかんなかったなあ。試されてダメで首になったなあ。つまり、専門文献だけでなく、関連法規の知識も必要になるので、理系でもリーガルマインド=法律センスが必要だということ。 それができれば、修士でないほうが先様は歓迎。給料が安くてすむから。 結局、学歴よりも仕事の能力がものを言うんだよね。でも今の時代は修士だよ。もしかしたら分野によっては博士が必要になるかもね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.08.11 11:48:01
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