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カテゴリ:仕事と人間心理
健康食品の部類には入らないけれど、イメージ的にそれに近い商品のデモンストレーションを、商品の製造販売元、すなわちメーカーの営業マンと実施したことがある。 場所は、近畿地方の某下町にあるスーパー。 営業マンは、ぱっと見、20代前半から半ばのお兄さん。グリル鍋で調理(と言っても焼くだけ)するデモンストレーターの私の隣に立ち、出来上がった試食品を一口大に切って盛った小皿を数個トレイに乗せ、 「いらっしゃいませ。このほど新発売された、〇〇社の△△品です。今日は宣伝販売をさせていただいております。どうぞお気軽にご試食下さい」 と、デモ場所の周りをカゴ持参で通るお客様の1人1人に懸命に訴えかけるが、はて、お客様は片手を振って拒むか彼の存在そのものを無視するかのようなそぶりを見せて無言で去るばかり。 この繰り返しが、デモ開始から半時間ほども続き、彼は私に溜息混じりにこぼした。 「ポンポン試食が出て、ポンポン△△が売れると思っていたのに、皆さん、食べてくれないし、当然、買ってもくれませんね、、、。こんなはずじゃ、、、」 いえいえ、「こんなはずじゃない」なんてことはありませんよ、、、特にこういう、お客様の9割以上までが地元の人を占める、こぢんまりとした店ではね。だって、お客様全員が、お互いに顔はもちろんおのおののバックグラウンドもかなり知っている間柄だもの。「店で立ち食い」なんて、ちょっと恥ずかしいじゃありませんか、、、率直なところ。 ただ、お客様間の密度が濃いぶん、1人が試食してくれると、お兄さんがまず望む「試食ポンポン」現象が生まれる。ある種の同調意識だ。 となりゃ、肝心の商品も動き出す。これも、お兄さんが望む「ポンポン」ではなくても、まあ、「ポツポツ」ぐらいには。 そうですよ。 お客様の財布の紐は固いのだ。 1個の商品を売るのが、どんなに大変か。 ここいら、お兄さんも営業職なら、今後は身に染みてわかってくるはずだ。 写真は、3人の孫。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.08.29 01:48:35
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