KOKO のアリゾナぐる～ぶ記

ちょっとぶちまけますね。


お店開けていいよ～ってなってから一年数か月、結構忙しくギグをこなしています。
今週も木～月の5連ちゃんが入っています。
強がりの私でもちょっときついけど、もともと疲れたが口癖のブライアンなんかストレスが目に見えるわけです。でも大人ですから、できるのにやらないという選択肢は今のところないんです。数少ない演奏できるお店に敬遠されたら生活にかかわるのでね。


基本的にはトリオで、私、ブライアンとドラマーのダニー。ですが土日に入るお店ではテッドがゲスト参加する事が多いのです。


これが本当にストレスの種。
どこから話をはじめればいいのかもわからないのですが…

テッドはもう二十年以上の友人の、ブライアンと同世代のギタリストです。
スタイルは違うものの、腕があって実力派な感じでした。


しかし彼には常に酒とドラッグが付きまとい、たまに仕事やちゃんとしたバンドを見つけて頑張ってるなと思うとやめちゃったとか、そういう事が多いのです。というか、その繰り返しですね。幸か不幸かまとまったお金がないのでどっぷり溺れる感じではなく、ちまちまと悪友や騙されやすそうな人にたかって悪癖を続けている感じ。


たまにクリーンになって、演奏意欲たっぷりで、もともと人懐こいのでブライアンの代理の仕事を回したりゲスト出演してもらったり、という時期があるのですが、去年の今頃もそんな感じだったんです。肉体労働だけど高収入な仕事をして、彼女もできて、自分のバンドも2つも持って、中古だけどトラックやPAシステムを買いはりきってる感じでした。そのうえ私たちのギグでも演奏したがって、まぁブライアンももう一人ソロする人が増えるので負担も減るし、歓迎してる感じでした。たまにキーボードのゲストとかが参加する時は日時を決めて宣伝にも「○〇さんがゲスト！」みたいにしますが、テッドの場合はもうフリーパス状態になっていました。


ですが彼があまり仕事に行ってないと聞き始めてから雲行きが怪しくなってきました。
彼女にも逃げられ（彼女も自分が地球にいるのかもわかってないような、ぼけーーーっとした感じの人だったけど）、いつも何かが故障したとか犬が病気だとか、ともかく陰な感じになったのです。でも酒の量は増えてるように見えたし、自分でもアル中だって言ってたし、またそっちに行っちゃったか。


彼自身も支離滅裂な話を延々としたり、あんまり面白くない事にも酔っ払い特有のがっはっは！という大笑いをしたり、私の前でも平気でビールゲップしたり…。もうだいぶ前からどん引きしてたんだけど、悲しいかなアメリカ人＋酔っ払いってドン引きされても全然気づかないんだよ。


自粛期間が解けた頃はみんな外出したがってお店も繁盛してて、ミュージシャンが一番あおりを喰らったという世論だったし、支給金でみんな気前よくチップをくれて、テッドにその分け前を少し（正式メンバーじゃないので）渡すこともできたけど、彼にとってそれは当たり前になってしまったらしいのです。


最近は連絡もなく勝手に参加し、私たちより前に来てセッティングしてる時も多々。
以前のようにブライアンの片腕になるならまだしも、酔ってる時は大音量だったり、ギターの腕もガタ落ち。こんな下手でした！？と…。これが本当に悲しいのだけど。頼んでもいないバックアップコーラスも歌詞うろ覚え、音程外れ。曲の間に自分の曲を始めようとするので次の曲が考えられない。ゲストとはいえもう十年以上やってる曲を死ぬほど間違えたり、メジャー・マイナーの間違えなんか日常茶飯事。私の歌のギターラインはブライアンがやるのに真似ようとしてその場で音を探すので、私は音程が取れず殺気すら覚えます。たぶん練習もしないので、毎回その場で練習してる感じ。私がもしヘザー姐さんのギグで下手こいたら、もう絶対その屈辱を味あわないように次までに徹底的に頭に入れておきます。ミュージシャンって結構あの屈辱が恐怖な人が多いと思う。なあなあだとしても、何年間違え続けるんだよ。


昨日も勝手に来ました。たぶんお金目当てで、そんな大した額じゃないのに嫌だなあと思ったのですが、チップは良かったので彼にも相応あげました。そして今日は違うゲストドラマーだったので、ブライアンがやんわり


「彼がゲストだから…」


と言ってテッドが来ないように仕向けたのですが、やっぱり空気読めずに来ていました。
もう彼のアンプを見るだけで始まる前から疲れが倍。ブライアンは


「もう金やるな、いつでも勝手に来て金がもらえると思ったら大間違いだ」


と言うのです。尤もです。


結果、今夜は客足も少なく、チップも全然でした。
ステージにいればだいたい今日はダメだなとかわかります。


でもゲストのドラマーさんとかにはギャラと、ご足労という事で私の中で最低ラインがあり、自分たちのチップや最悪ギャラの自腹を切って支払います。見栄もあるけど、次も気持ちよく来てほしいし。うちのバンドのポリシーです。


で、今日も自腹決定…。ドラマーさんはたまに来るピンチヒッターなのでそんな事は知らないし、知らなくていい事だと思ってますが、問題はテッド。私たちは彼と何の契約もしてないし、私が自腹切ってるのに勝手に来てる彼がギャラを求めるのはおかしな話。しかもギグに貢献できてないしね…。ああ、もうこんな事言うのも嫌けどさあ。まぁこんな夜だったし、もうレギュラー化してる彼なら今日はスカだったなーってわかるはずなのよ。


シラフだったらね！



私もブライアンも頑なに


「もうお金あげるのやめようね」


って言って、彼が察して帰るのを望んでたのですが、



待ってるのよ！！！！！！！



ず～っとステージに座って、しれーっとスマホ見てさ。



私たちがわざと時間かけて機材をかたずけて、ギャラを取りに行ったり、チップを数えるのもずーっと後回しにすれば、察して帰ってくれるだろうと祈っていました。でも帰ってくれなくて、その時間が苦痛で、まあ全部片づけ終わって何も言わなかったらやっと帰ってくれたんだけど、せっかく楽しいドラマーさんだったのに帰りはすっごく後味悪くて、なんで私たちがこんな思いをしなければならないのか、ムカついたし悲しかった。


私達が悪者になってますよね？


そりゃあやっぱり友人なので心は痛みますよ。
でも私達だって無限にお金があるわけじゃなし、勝手に来られてギャラを期待されても困ります。多分ここ最近毎日のようにギグがあったので、きっとお金持ってると思われてるのかなあ。いや、彼だって同業なんだし、そんなんたかが知れてるのは知ってるはず。それでもたかりのように私達に纏わりついてくるのは、よっぽどお金が必要なのでしょう。



ここでね、



「ちょっと前まで仕事して、車だの機材だの買ってたじゃない、どうしたの？もしかしたらアル中？薬？助けが必要なの？」


って



聞くのが本当の友達で、本当の大人だと思うのね。


結婚前にブライアンもそういう状態の時があって（もっと酷かったけど）、その時は金もくれないおせっかいな人が根ほり葉ほり聞いてきやがって、と怒ってたけど、後から考えたら厄介払いをするように小金をばらまく人より、根本的な問題を解決しようと試る人達の方が人間的にできてると思うのよ。



私もできればそっちの人間になりたいし（お金ばらまく方にもなれないけど）、何かの助けが必要なら喜んで助けてあげたいとは思うのだけど、現実には彼の顔見ただけでもううんざりしちゃう。ましてや私達が、疲れてるから家で猫とごろごろしたいよーと思いながらも泣きながら老体に鞭打って守り通した仕事に土足で踏み込まれると、助けたいどころか私達が助けてー！な状態になってしまうのですよ。


ブライアンも


「もうきっぱり、予算の都合でお前には何もあげられない、ゲスト参加も必要なら連絡する」とメールしてやる、というのですが、気が弱いのでまだ言えてません。


もう本当にむかついてるんですけど、書いてるとやっぱり心がチクチクする。
長い間の恋人みたいな書き方だけど、どうしてこんな風になってしまったのか。
以前あまりゲストを呼ばなかった時は彼はお客として来て、しらけ気味のギグでもソロの後に拍手をしたり、場を盛り上げたりして、テッドが来ると気持ちよく演奏できるね、と言っていました（なんか泣けてきた）。住居もふらふらしていて、一時期うちの庭にRVを停めて住んでた時もありました。決して悪い人ではないんです。つまるところ、酒だと思うのです。


もう思考がぐるぐる空回りしてるのでこの辺でやめときます。
後味悪い書き込み、許してにゃん。