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仕事で札幌・旭川に行ってきました。
土曜日の夜遅く札幌の実家に立ち寄ったら、 !! 家に白クマが大の字になってリビングで寝そべっているではありませんか!! よーくみると、白クマだと思った生き物の正体は巨大なラブラドルのメス犬。な~んだ!でもびっくりです。このラブラドル、オパールは以前盲導犬としてN県で活躍していたのですが、高齢化したために一線を退き、余生を生まれ故郷の札幌ですごすために北海道に戻ってきたのだそうです。 もともと我が家では昔から犬のいる生活を送っていたのですが、このたび犬好きの父が、思うところあって盲導犬協会からオパールを預かることになり、一ヶ月ほど前から我が家の一員になったというわけです。 オパールは12歳。人間の年齢に当てはめると70歳近いおばあちゃんなのですね。とにかく食べることと寝ることが何よりも楽しみで、一日2回の食事を終えるととにかくお気に入りの場所でグーグー寝ているのだそうです。 こんな感じ? ちょっかいを出そうとしても軽く無視。このひじ枕、人間くさくて思わず笑っちゃいます。 おしっこをしたくて一瞬目を覚ましますが、おしっこを済ませるとまた。。。こんな感じ。 たま~にこんなキリリとした顔をしますが、実は視線の先には母の剥いている梨があります。 自分の分け前はどのくらいあるのか、真剣に見つめているのです。 この「見つめる」作戦に、母が簡単に陥落してちゃんと自分に梨を分けてくれることを、この賢い犬はよく知っているのです(笑) 以前、我が家ではパピーウォーカー(盲導犬候補の仔犬を1年間ボランティアで預かる家族)をしていたことがありました。 合計五頭の仔犬を預かり、うち三頭が盲導犬として活躍しました。当時は生後45日の仔犬から育てたので、家具は噛まれるは、家中は毛だらけになるは、ウンチの世話は大変だ、生ゴミを食べておなかを壊すは、ととにかくかわいいけれどもやんちゃな仔犬に振り回されたものでした。 それに比べるとオバアチャン犬オパールは、さすが厳しい訓練を受けた元プロの盲導犬です。決して吠えないし、いたずらも、ウンチの粗相もしません。私が帰宅しても、体当たりで飛びつくこともなく、「あんた見慣れない顔だけど誰?」みたいな顔をして、玄関でお座りして迎えてくれます。(一応尻尾はふってくれますが。) まあ、先方は70歳ですので、完全に私などは若造扱いでなめられているのでしょうか(苦笑)? 視覚障害をお持ちの以前のご主人は本州で市議さんとして活躍されていたそうで、オパールはご主人と共に議会に参加したり議場などに出入りしていたのだそうです。長い間生活を共にし、ご主人の目となり杖となるという大変な任務を全うした、その経験によるものでしょうか。オパールの堂々としたたたずまいは犬でありながら重厚感と存在感にあふれています。 実は現在一日のほとんどはボヨヨーんと寝ているのですが、たまに父が仕事の集まりに参加する際に(話のネタに)オパールをつれて、会合場所のホテルなどに連れて行くと、現役時代の経験を思い出すのか、いきなり「シャキーん!!」と仕事モードのキリリ顔になるらしい(笑) 昔からそうなのですが、自分の生活の中に盲導犬や候補犬の存在が大きかったせいか、街で盲導犬を見かけると、わけもなく涙があふれてくることがあります。それはきっと、大事なご主人を守るために責任感と誇りをもって自分の任務に取り組んでいる(であろう)その姿と澄んだきれいな瞳に心を打たれるからです。 盲導犬や介助犬、聴導犬については「人間の身勝手な利用に過ぎない」とか「犬がかわいそうだ」とかいろいろという方もいらっしゃいますが、犬が幸せか不幸せかを、自分の価値基準で一方的に判断する人間の方がよほど身勝手のようにも思います。犬がそれをどう感じているかはわかりませんが、こうした訓練犬が少なくてもユーザーの役に立とうという気持ちで仕事をし、周りの家族からの愛情と信頼に満たされて、共に生きているとしたら、それは私自身目指したいと思う充実した生き方です。 プロの訓練犬も自分で決めた生き方ではないかもしれないけれど、少しでもハッピーに感じながら生きていてほしいと思うのです。 ちなみにオパールはこれまで視覚障害のご主人のために大活躍をしてきましたが、今は我が家で大活躍してくれています。年を重ねた老父母の生活の中で、癒し系同世代同居人として居てくれるだけで、皆を優しく満たしてくれているように思うのです。オパール自身も我が家で穏やかなのんびりとした余生を送ってほしいものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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