パキスタンからギリシャへ、カラチへ向かう列車にて
列車に乗り込んでみますが、なぜか違和感を感じます。 車両は、客車というより、有蓋車の貨車のような感じです。 乗っている人は、見慣れない服装をしています。 これらは、なんとなく異様な雰囲気を感じる原因ではなさそうです。 客車の中は、3人がけのクロスシート。 板張りです。 見慣れない日本人がいるということで、座っている人が席を譲ってくれます。 有りがたく座らせてもらうことにします。 私たちの周りに出来る空間。 私たちに集中する乗客の視線。 体を乗り出して見ている人もいます。 先程から感じていた違和感の原因がわかりました。 それは、「男」。 乗客は全て「男」なのです。 異様な雰囲気の原因がわかり一安心です。 原因が分かるとわかると、今までの不安な気持ちが飛んでいきます。 8時40分、終点のカラチ市駅に到着です。 みんなが握手を求めてきます。 友好関係の樹立に成功です。 これも縁です。 愛想良く握手をして座席を立ちます。 いつまでも、汗ばんだ感触が手の中に残ります。 同行してくれている二人の親切な青年は、どうも学生のようです。 「今日は、日本からお客さんが来たのでアルバイトを休むことにしました。」とは彼らの弁。