2月22日は行政書士法が昭和26年に公布された日。
それを記念して市民講座が開かれた。
講師は位田隆久(いんでん・たかひさ)氏(元報徳学園中・高等学校長)。
会場は神戸市勤労会館。
テーマは「3つの眼と共感 ライフハーモニー」
3つの眼とは
天の眼、他人の眼、そして自分を見る自分の眼。
他人が見ていないところでの行いが品性を磨く。
「天網恢恢疎にして漏らさず」
老子のことばだそうですが、
天(神、自然の理法、摂理)の網は抜け穴だらけ
すきだらけのように見えるが、結局は悪は必ず
その報いを受けていくというほどの意味で、
天の眼を欺く行為には天罰が下ることを忘れてはいけないのだ。
ちなみに
品格とは人を責めるときに試されるものだそうだ。
共感とは
家庭における一番大切な機能である。
俵万知のサラダ記念日に
”「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ”
という句がある。
家庭の共感というのはこういうことだ。
家族の言ったことを否定しない、受け入れてやることで愛や慈悲や仁が生まれる。
マザーテレサの言葉で
Love begins at home というのがあります。
ホームとは食卓を囲む人々のこと。
そこに家族の団欒がある。
御巣鷹山の墜落事故で27通の遺書が見つかったという。
墜落までの32分間に殴り書きした遺書は全て家族宛てに書かれたものだそうだ。
「子供よろしく」「お母さんを頼む」・・
人間をもっともよく観察した詩人ゲーテは言った。
人間の最大の罪は不機嫌である、と。
論語の中で
子貢が、「人として一生涯貫き通すべき一語があれば教えて下さい」と問うた。孔子は、「それは恕、つまり相手の身になって思い・語り・行動することだ!」と答えた。
最後にライフハーモニーとは
人間関係における間合いのこと。
夫婦間では近づくことを学ぶ。
ハリネズミのごとく近すぎると痛い目にあうのだ?!
子育てでは離れることを学ぶ。
3歳までは肌身離さず、7歳までは手を離さず、13歳までは眼を離さず、
そして19歳までは心を離さず子供と接するのが親離れ・子離れにいい。
2時間の講演会はとてもユーモアにあふれ、そして
とても日常生活の問題を解決する示唆に富んだものであった。
東寺(五重塔)講堂には弘法大師の歌があるそうだ。
「欲深き人の心と 降る雪は
積もるにつれて 道を失う」