理屈が通じない時どうする?
土地の境界線でもめていた家同士が話し合いをすることになり、それに私も立ち会えということになった。もう既にお互い弁護士を通して内容証明を送達しあっており、そんな中に行政書士がでしゃばるのはどうかと思ったが、依頼した弁護士は内容証明を出したきり、年が明けても解決しようとする動きも見られず、膠着状態では埒が明かないので同席の上話を聞いてもらえないかと打診された。話し合うのは70歳前後のおじいちゃんとおばあちゃんだ。どちらも頑固という2文字が付く。私の役割は理屈で押し通そうとする当事者を出来るだけ現実に目を向けさせつつ、穏便な話し合いを継続させることに徹した。話しているうちにお互いの境界線に対する認識の違いが浮き彫りになり本訴する最悪の事態は回避できた。遠い弁護士よりも近くの行政書士ということで、なんとか面目を施したが、最終決着はやはりお互いに依頼した弁護士でつけてもらうよう助言して閉会。帰り際に相手方当事者から名刺を求められたのは成功裏に終わった証か、それとも後日にもつれる前兆か?