別れ話に、メールは避けておこう。
少し前のニュースです。57歳の男性が、57歳の婚約者に、メール1通で婚約破棄を告げた。傷ついた女性は、200万円の慰謝料を求めた裁判を起こし、結局、30万円の支払いの判決を、盛岡地裁は命じたそうです。婚約不履行の裁判なんて、そこらにいくらでもありそうなんですが、これがニュースとなったのは、「メールで婚約破棄をした」というその争点が興味深かったからでありましょう。2人は昨年2月に婚約したものの、男性はわずか3ヵ月後の5月に「1人の方が気楽。大変勝手なのですがおつきあいはやめさせてください」とのメールを送ったのだそうです。裁判長は「違和感を本人に伝えて善処を求めるなどのコミュニケーションを取ろうともせず、いきなり1通のメールで突き放したというべきで正当な理由があるとはいえない」と指摘し、女性に精神的苦痛が生じたと認めたわけです。ところで・・。別れ話をメールでする = それは不誠実なことと認めるひとつの判例が出来たわけですが、はたして、男女が別れる場合、メールですますと不誠実なんでしょうか?「1人の方が気楽。大変勝手なのですがおつきあいはやめさせてください」というセリフ自体は、決して、そう不誠実ではない。直接会って、同じセリフを、恐縮しいしいやったとしたら、それほど、こじれなかったのかもしれない・・。確かに、直接会って、相手に分かってもらうまで、心をこめて話をする・・というのは、人とのコミュニケーションでの大事な要素ではあります。でも、人間、会って話して、余計こじれることも多々あるんですよね。顔つき合わせない方が、お互いのため・・だったりもする・・。これがもし、手紙だったら、どうだったのでありましょうか?そのメールをもらって、女性が慰謝料請求などを求めるメールを送ると、男性は「付き合いのある暴力団員がいる」などと脅迫メールを送信したらしいですし。 この2人は、メールでやりとりする二人だったんですよね。要するに、メールだけだったとか、そういうことで女性は傷ついたわけではなく、単に「男の身勝手」に、腹を立てた・・ということなんだと思いますよね。でも、この判決がでたおかげで、今後「メールで婚約破棄」は、要注意・・となったのですね。男と女の別れ方、っていうのは何万通りもあるわけです。ほんの少しの想像力と、相手への思いやり、気遣いがあれば、もっと、まともな別れ方が出来たでありましょうに。ま、この女性は、こんな男と、うっかり結婚しちゃわなくて、よかったですよ。それにしても、どんな57歳の男性と、どんな57歳の女性だったのか?すっごく、興味あるのですが・・私って、悪い趣味ですかね。