SAHM とSJOW
NYで、バッグを作って販売している友人がいます。彼女は、外国で学位を2つも取るほどのインテリで、国連関係の仕事に就いていたのですが、妊娠した時に、「子どもとの時間を大事にしたい」とさっさと仕事を辞め、NYでアートの学校に入り直し、で、今、子育てしつつ主にネットで、作品を販売しているのです。彼女の作る垢ぬけたバッグは評判も良く、仕事もどんどん広がっている様子なのですが、その彼女がブログで「SAHM」について語っていて、当人に無断なんですが(まあブログに載せているのだから、怒らないだろうし)一部をご紹介します。因みにSAHMとは、外で働かず、家で主に子育てと家事に従事する女性、"Stay at home mom"の略です。「SAHMになって、はや12年。子供が生まれてからも、出版翻訳をしたり、学校に通ったり、個人事業を起こしたりしてきたが、基本的には家にいる「主婦」である。この間、ずっと気になってきたのは、いかに世間がSAHMを馬鹿にしているかということである。 男性ばかりではない。外で働く女性もがだ。ワーキングマザーが集う某サイトでは、「経済的に自立していない女性は無能で怠慢である」と言ってはばからない人もいた。初対面の人(性別にかかわらず)の多くは、夫には仕事の話をするが、私には興味ないだろうと思ってか、理解する能力がないと思ってか、仕事の話は振らない。当然、怠慢でおバカさんの専業主婦もたくさんいるが(私)、主婦の怠慢率・おバカさん率が、世間一般と比べて高いということは、まったくないと確信している。 それなのにこのバカにされようは一体何なのか。 結局、どれだけの貨幣価値を生み出しているかで、人を見下したり、見上げたりする連中が、世の中には結構多いということだろう。」私自身、オバカかどうかと言えば相当にオバカな方ですが、「しかし、あんたより多少はましだろう」と思う相手からも、仕事をしていない主婦、という一点だけで、見下されたり、無視される経験があまりに多いので、ずっと悔しい思いをしてきたんですが、あれだけ優秀で、敢えてこの道を選んだ彼女ですら、こんな風に腹立てたりするんだ、と、すっかり嬉しくなってしまったただ、目下の私は、SAHMの辛さより、SJOW、即ち、Speak Japanese Only Woman、「日本語しかろくにしゃべれない女」である方が、辛さは大きいかもしれないです。世間の外国人は、下手くそな英語・仏語しかしゃべれない私を、「このオバサン、知性の欠けらもないのじゃないか」みたいに、冷ややかに見るんですね。「日本語なら、素晴らしい話が出来るのに(でもないけど)」と思うし、「あんたらが英語も仏語も不自由しないのは、たまたま、そういう環境だったからでしょ」とも思うのだけれど、世の中では、それは通用しないわけで。もっとも、これだけ外国暮らししながら、相変わらず、下手くそな外国語しか使えない、私の方も、困ったものなんでありますが・・。SAHMとSJOWかぁ・・ついでに、SWNO、「すでに 若くも ない オバサン」も加えると、まさに、三重苦ですかね。