北朝鮮のミサイル発射よりも怖いもの?
日曜朝の、北朝鮮・ミサイル発射を受けて、昨日のワイドショーは軒並み、この話題でありました。チラチラ見ていた中で、ひとつ、とても気になったことがありまして・・。フジテレビの『とくダネ!』でしたが、おそらく知識人枠だろう女性のコメンテイターが「北朝鮮における核爆弾とミサイルの技術が徐々に進歩している中で、こういうことを敢行されるのは怖いことだ」といった、ごくごくフツーの感想を述べた後に、「でも、それ以上に怖いのは、この件に乗じて、憲法改正や軍備強化に政府が進むのではないか・・ということです」と発言したんですね。「おいおい、いきなり、この論理の飛躍かい」って感じ。どうやらこの女性は、金正恩という、何をしでかすか分からない独裁者が、日本のすぐ近くで、着々と核兵器の準備を進め、それをこれ見よがしに世界に誇示している、という現実よりも、自国の政府が、憲法改正したり、国防のために軍事力を強化することの方が、由々しきこと、怖い・・と考えているらしい。こういう考え方があることは知っていますが、私ゃ・・理解に苦しみます。憲法改正は、憲法で保障されている国民の権利であり、必要に応じて改正することは、決して、「憲法違反」ではないし、倫理や常識に沿わないことではない。仮にどんなに素晴らしい憲法であったとしても、70年も経てば、あちこち、欠点も見えてくるわけで、ましてや戦後の混乱の中で、占領軍指導でバタバタ決めた憲法に、さまざまな問題点があることは極めて当然であり、だったら、丁寧に議論し、よりいい文言にしましょうよ・・とは思えないのでしょうかね軍事力強化だって、今の国際情勢を見れば、やっとかなきゃ、まずいだろう・・と思いますけど。で、番組では、その発言の後、司会の小倉氏も、別のコメンテイターも黙ってしまってそのコーナーは終了で、結局、番組として言いたかったことは、これかい・・という感じの構成になってしまっておりました。さまざまな意見があってもいいのですが、こういうの、どうなんだろと多分に疑問を持ったのでありますが・・。高市総務相が衆院予算委員会で、放送局が政治的な公平性を欠く放送を繰り返したと判断した場合、放送法4条違反を理由に、電波停止を命じる可能性に言及したそうです。政府にそういう強権を行使させないためにも、番組の制作者は、もう少し、広い視野を持とうよ・・と思いますね。最近のTVって、狭い社会の、仲間内だけの凝り固まった価値観で、動いているような気がする・・。なんとかしないと、日本のTV文化は、崩壊の一途だと思いますけど。,