豊洲市場の問題は、木ばかり見て森が見えなくなっている?
フジテレビの『新報道2001』で下村博文氏が、 「小池知事が築地市場の豊洲移転中止を決めた場合、どうなるか」の問いに 「豊洲が(汚染対策の面で)大丈夫だと確認されれば、早めに移すのは当然の話だ。 それを感情論で小池氏が『だめだ』と判断するとは思えない」 と語った・・ということがニュースになっていました。 私もこの番組を見ていましたが、「感情論」というところが、 新聞記者にはカチンと来たみたい。今や小池知事は、悪を暴く正義の騎士・・ですもんね。 小池知事が感情論で結論を出すとは思えませんが、 豊洲市場の件について、マスコミはあまりにミスリードも含めて煽り立て、 世の中は、かなり感情的になっているよな~、と私は、しみじみ思う次第で。 例えば、今頃になって都議団がゾロゾロ、視察に入ったりして、 溜まっていた水に「ヒ素が入っていた」と大騒ぎしていますが、 0,004mg/Lという数値は環境基準値0.01mg/Lを十分クリアしているわけですよ。 聞くところによると、六甲のおいしい水で0,004mg、ボルビックは0,009mgだそうで、 つまり、わざわざお金出して買うミネラルウォーターと 変わらない量なわけです。 今朝のTV朝日のモーニングショーでも、「微量でもヒ素が含まれていた、 ということは、あの水は雨水ではなく地下水なんです」と専門家でもない司会者とコメンテイターが断定していましたが、 むき出しのコンクリや石ころがゴロゴロある中に溜まっていた水に、 いろんな有機物が入り込む可能性はいくらでもあるわけで、 どうしてここで、断定できるんだろ・・と不可解でしたし。 多くの人が4,5mの盛土の下が、汚染土壌だと思いこんでいる印象ですが、 盛土の下、砕石層より下の部分は、すでに洗浄されきれいになっているんですね。 専門家会議の提案に沿い、さらに2m+2,5mのきれいな土を敷いて、 汚染対策を万全にする・・はずだったのが、盛土をしていなかった。 目下、それが大問題になっているわけですが、 あれだけの大プロジェクトですから、建物の下をわざわざすべて空間にしたのは、 それなりの技術的・工法的理由があったはずなんですね。 なぜ、それを説明しないのか、そこはわけが分かりませんけれど・・。 コメンテイターの方々は、二言目には「食の安全が大事」と 大げさに憂いたりしてますし(まあ、それが一番無難で国民の味方に見える態度ですから)、 巷では「豊洲市場の魚なんて、もう食べたくない」「移転なんか止めちまえ」 なんて声まで出だしているようですが、じゃあ、今の築地はどうなの・・ と考えたら、何もいえなくなるのじゃないですかね 衛生面でも大分問題があるようですし、築地でベンゼン量を測ったら、 豊洲よりも数値が高かった・・らしいですし。 不思議とこの点、誰も触れませんが。 もちろん都のやり方が、あまりに不手際であることは事実としても、 なあんか、変な方向へ進んでいる感じ。 私たちはもう少し冷静に、かつ論理的・科学的に、 この豊洲移転問題を見ていく必要があるように思いますね。