人は本を読まないどころか、長い文章すら読まなくなっている。
実は私、ネットニュースの記事に付くコメントを読むのが趣味なんです。 世間の人が、どう考えているか、なんとなく伝わるから。 どこかの力が働いているらしく、やたら一方的な意見ばかり 並ぶこともありますが、そういうのを差っ引いて、やや距離を置いて読んでみると、 世間の人は、こんな風に反応し、こんな風に見るんだなぁ・・というのが見えて来る。 で、最近、気になっていることがあります。 明らかに内容をちゃんと読んでいないのに、コメントを投稿している人が増えている。 途中まで斜め読みしただけだろうな、と思われる意見や、タイトルだけ見て感想を述べたリ、記事なんか最初から読みもせず、 テレビやネットの噂そのままに、強い意見を言う人も増えている。 世の中の人は、こんな短い記事すら、最後まで読まなくなっているのでは・・と。 確かに、しょうもない記事も多数、出回っています。 何を言いたいのだか、読んでも理解不能だったり、おそらく書いている当人も、 自分が何を言いたいのか分かってもいず、そもそも、訴えたいこともない、 そんな劣化した文章が多く出回っていることは、現実だと思います。 読むに堪えないから、すっ飛ばして読んで、内容を押し測る。 そういう読み方をする人が増えているのではないか もう一つ、思うのは、あのスマホの、スースーと画面を流しながら読むスタイル。 スマホメールをチェックしている人を横から眺めていると、 よくもまあ、あんなに速く動かして文章を読めるものだと感心するのですが、 絵文字や、「うん、いいよ」「ダサ~」「ハッピ」なんて 記号並みの会話だったら、あの速度で読めるのかな、とも思うわけです。 そして、そういう会話ばっかりしていると、きっと、長い文章なんか 読む気にもならなくなってしまうのでじゃないか・・と。 ネットに、『1日の読書時間が「0分」の大学生は約5割に上る――』 との記事がありました。大学生協が全国の大学30校の学生10155人に行った調査で、 1日の読書時間が「ゼロ」と回答したのは49,1%、調査を始めた2004年以降、 最も高い数字になったそうです。平均読書時間も24,4分(前年比4,4分減)だったとか。 恐ろしいことです。 本を読むのが本領の大学生ですら、こんなに本を読まなくなっている。 スマホの影響、大きいのじゃないですかね。 読書しないことも大問題ですが、そういう習慣が続くと、 長い文章を読むことが苦痛になって、 タイトルだけで分かったようなつもりになる、論理的複雑な文章は避けるようになる・・。 TVで有名人が言っていた、というだけで、 そのままうのみにする人間が増えてしまうのではないか また、そういう人に限って、他人の話に耳を貸さず、 思い込んだことを、そのままに意見を通したりするんですよね。 ま、これは多分に私の偏見ではありますが・・。 ネットとSNSの発達で、確実に大事な何かが壊れつつある。 私の心配が杞憂であれば、とは思うのですが・・。