リオの治安悪化に軍隊導入の是非
今朝のNHK-BSニュースで、ブラジルのテメル大統領がリオデジャネイロ州の治安維持を軍が担当する政令に署名したことに、 市民の反対デモが起こっている・・と伝えていました。 NHK-BSは、多分に左寄りなところがあって、どうなんだろ? と首を傾げたくなる報道が、割とあるんですが、リオ市民が総出で反対しているような今朝の報道ぶり・・本当の所はどうなんでしょ リオデジャネイロの治安は、悪化の一途なのだそうです。 私がいた頃、今から15年も前ですが、その頃だって十分に治安が悪く、 邦人10人が集まれば、そのうちの3人は強盗に遭った経験あり ・・という具合でしたね。 居合術の心得があるものだから、強盗に抵抗して眉間に傷を負った人もいますし、 高級ホテルが並ぶコパカバーナのメイン道路で、夜8時のまだ人通りの多い中、 信号待ちしていて強盗にお金を出せと脅され、でも、誰一人 助けてくれなかった、と言う話も聞いています。 日本人観光客のご夫妻が、朝、海岸を散歩していて強盗に襲われ、 夫人が瀕死の重傷を負ったことも。 なにしろパトカーは、窓からライフル銃を4本、ニョキッと 外に向けて走っていましたしね。 まあ、そんな状況下でも、滞在日本人はリオが大好きで、 今でも、みなさん、チャンスがあれば訪れているんですが。 で、そのリオの治安は悪化の一途で、特に 2016年のオリンピック以降、たいへん悪くなっているのだそうです。 治安悪化の最大の要因は、ファベーラ(スラム街)に根付く麻薬組織の 巨大化なんでしょうが、今年2月に、 在リオデジャネイロ日本国総領事館から出された カーニバル向けの公告によりますと、 2017年のリオ市内犯罪発生件数は、殺人1,487件(約4件/日)、 強盗123,142件(約337件/日)なんだそうですよ。 これ、把握しているだけの数字でしょうから、実際はもっと多いはず。 そして麻薬組織との銃撃戦で亡くなる警察官も多いし、 流れ弾で亡くなる一般市民も少なくない。 とにかく人々は、夜は出歩かない、外出するときは 宝石などを身に着けない、手持ちのお金は1000円2000円ぐらいしか持たない、 危ない地区には近寄らない・・を心掛けていますが、 そうもいかないのが、人の生業でありまして。 テメル大統領は「リオ州は犯罪組織にほぼ乗っ取られた。 極端な手段を取らざるを得ない状況にある」と述べたそうです。 私は、経験上、軍隊に登場してもらわないと、どうにもならない ところまで来ているのではないか、と想像していて、市民はむしろ、軍隊導入を歓迎しているのではないか、とも思うんですが、 それでも、ニュースでは、反対市民の様子が大きく取り上げられている。 実際のところを、知りたいものです。 (写真はファベーラ。麻薬組織の温床となっているスラム街です。リオにはこういうファベーラがあちこにちある。大抵、山の稜線に沿って広がっていますので、夜なんか、クリスマスのイルミネーションみたいにきれいですが、その電気は、ほとんど盗電によるものだそうですよ)