安田氏は民主主義のために行ったのか?
武装勢力に拘束されていたとされる安田純平さんが無事、解放され帰国。 ともかく、首をはねられた・・という結果でなくよかったです。 成田空港に到着して、先頭きってさっさと歩く姿は、 3年も拘束されていたとは思えないほど頑健で、まあ、いずれ どういう拘束だったのかは、分かって来るのでしょう。 安田さん解放ニュースで「渡航禁止なのに敢えて行って、何回も捕虜になって」 と批難する声が高まっているなかで、TV朝日のモーニングショーではいつもの玉川徹氏が、 「ジャーナリストは民主主義を守るために命を懸けているんですよ、 敬意をもって迎えるべきだ」と長々大演説をして、それがまた物議をかもしています。 私、ちょうど玉川氏がこの発言をした時にTVを見ていたんです。 おいおい・・と思い、長々話が続きそうなんで、チャンネルを替えたんですが。 安田氏を批難する気もないですが、敬意をもって・・という気もない。 ですので、安田さんのことは、この際棚に置きます。 気になったのは「ジャーナリストは民主主義を守るために、命を懸けているなんですよ」 という玉川氏の発言でしょうか。 安田さんは・・と言わず、ジャーナリストは、とはっきり言ったのですが、 それは、ご自身も「民主主義を守るために、戦っているんだ」という自負があるからなんでしょうね。 しかしそれって、マスコミ関係者の慢心だし、そういう青臭い意識は逆に危険です。 TV見ていて感じるんですが、玉川氏の発言は、常に「僕らは正義」で、 「ジャーナリストは守られるべき」で「世の中の最大の悪は政府」で・・ と結果「政府批判」に話をもって行こう、としているところがある。 スポーツ界の問題が出ていた時も「政府だってそうですよ、隠ぺい体質は もっとひどい」とか、突然、政府批判をやりだした。 今はその話じゃないだろ、とイライラしましたが。 サウジの在トルコ総領事館でのカショギ氏殺害事件の際にも、 「ジャーナリストの口が封じられるような国はあってはならない」と 大憤慨していて、でもそれが「つまり日本は言いたい放題でいい国じゃん」という 結論になることを察して、その後はぐにゃぐにゃになってましたけどね。 人はそれぞれ思想があるから、そのことにあれこれ言う気はないですが、 ジャーナリストを気取る以上は、目指すのは「〇〇主義を守る」ことではなく、「真実を伝えること」だということを、 改めて思い出して欲しいと思うわけです。 現実は、「敢えて触れない」「言い方を変える」「一方的意見だけ流す」 「都合のいいデータだけ見せる」・・という姑息なやり方で、 彼らが「こんな風であって欲しい」報道に仕立て上げている。 それは自分達流の「民主主義を守る」ことなのかもしれないけれど、 余計なお世話以外のなにものでもない。 私達は、ただただ真実を伝えてもらいたい。 それもしっかり取材をした・・。 いつの間にか、TVなどで顔が売れた方々の、 ろくに取材も勉強もしていないくせに、社会を先導するんだ意識、 「僕らって見識ある有識者」意識・・というのがはびこっているように思いますね。 腹立たしいけれど、マスコミ全体がそれに染まっていて、 それで充分金儲けが出来る土壌が出来ていて、 「テレビに出ている人の意見」ということで 頭から信じてしまう庶民がいて・・だから修正しようもない。 玉川氏、「民主主義が大事だと思っている国民であれば、 民主主義を守るために色んなものを暴こうとしている人たちを 『英雄』として迎えないでどうするんですか」 ともぶったようですが、 私に言わせれば「民主主義が大事だと思っている国民であれば、 世界の事象をいかようにも脚色して都合のいいように世論を誘導できると 思いあがっているマスコミを監視しなくてどうするんですか」 でありますよ。 まあしかし、己自身も、冷静・客観的に世の中を分析できるよう、 頭を鍛えないといけませんけど・・。