レジ袋有料化で、誰が得するのか?
池袋の某デパート・リビング用品売り場で、お茶碗と耐熱皿を購入したのです。大きさの違う割れ物を、レジの店員さんは段ボールとプチプチでグルグル巻きに梱包してくれました。大きさの違う塊がゴロンゴロンと二つできあがった。 で、「これ、鞄に入ります」 と、しゃらっと聞くんですね。最近は、デパートに行く際にも大きめのバッグ用意していきますから、そこに入れられないことはなかった。でも、なんか無性にカチンと来たわけですよ。 で、「紙袋に入れていただけないんですか」と聞いたんですね。「紙袋は有料です」というわけです。「環境保全です」と。「紙は、環境汚染と関係ないんじゃないですか」と食い下がると、「ゴミになります」と嬉しそうに言う。 店員さんに罪はないですが、やたらムカッとしまして。「こんなことしていたら客は来なくなりますよ」と捨て台詞を吐いてしまった。 しかし、おかしいでしょ。プラスチックのプチプチと余分な紙を大量に使って、で、薄っぺらい紙袋一つ、「環境保全」を理由にくれようとしない。実質的な環境保全にゼンゼンならないことを、天下を取ったようにこの国は進めようとしているわけです。 ある人のブログからですが、日本で消費する原油のうち、プラスチックに使用は2,7%。レジ袋はそのうちの2.2%。つまり、レジ袋に使う原油は日本全体の0,06%だけ。 かつ、海洋ゴミを分析すると、プラスチックゴミのうち、ポリ袋の量は0,3%日本の場合は、大半を焼却しているから、もっとわずかだと考えられます。さらに、レジ袋の原料であるポリエチレンは、ナフサといういわば、原油のカスみたいなものから作っていて、使い道がなく捨てるしかないようなものを、上手に利用しているわけです。で、そのレジ袋は、元々が石油だから、焼却の際、いい火種になり、実はエネルギーの倹約になっているらしい。 そのレジ袋(ポリ袋)を、この国は法律を作ってまでやり玉にあげ、消費者の不便を無視して有料化という形で、「環境保全に尽くしてますよ」アピールに使おうとしているわけです。 実際の環境保全効果は微々たるもので、海洋汚染を無くすにもほとんど役に立たず、資源の節約になるわけでもない・・のに。ペットボトル等による環境汚染は、私だって分かるし、憂慮しています。本気で環境のことを考えるなら、まずやるべきことは他にあるはず。 環境省のお役人だって、この辺のことは分かっているのだと思うけど。 利用価値の高いレジ袋を有料化にされて、ついでに紙袋のサービスまで奪われて、私は腹立たしくてしかたないんですが、この壮大でバカげた、環境保全アピールで、一体、誰が得しているのか 知りたいところです。