さあて総理著『政治家の覚悟』は売れるだろうか
菅総理が野党時代に自費出版した著書『政治家の覚悟』が評判となり、文春が新書で改訂版を出した。ところがかつて本の中に書かれていて、一時ブーメランだと話題になった「政府があらゆる記録を克明に残すのは当然」という公文書管理の重要性を訴える記述が削除されたと、政治家や有名人が大批判をしています。 つまり、まずいと思う所はこそこそ隠ぺいする体質なんだぁ・・と。 「もう文春とは仕事をしない」と文筆家先生が嘆いたり、「グッとラック」の司会者の立川志らくなんか「割愛せずに黒塗りにすりゃ良かったのに」とバカにしたり。 ところが、この改訂版って、最初の本の4章あったうちの3,4章をバサッと削って、その分、官房長時代のインタビュー記事に差し替えたものらしい。 つまり菅総理が自費出版した本の1章と2章だけそのまま利用し、別の形にして新たに出した・・ということなんですね。3章4章は、民主党政権時代の民主党批判が柱で、まあ、時代遅れだし、総理の立場で他党をあまり批判しちゃ、よろしくない、とでも判断したのでしょう。8年以上も前のことだし、すでに終わった民主党政権批判ですしね。 そういう本の出し方はいくらでもあり、編集者が「こういう形で」と提案したのを、菅サイドは、お任せします、とでも言ったのでしょう。 ・・ということはフツーに想像つくと思うのだけれど。 つまり「政府があらゆる記録を克明に残すのは当然」の箇所だけ削除したわけではないのに、巷では鬼の首を取ったように大騒ぎだ。 それで分かるのは、批判している大半の人は、人から聞いたか、ネットの記事を読んだだけで、新書で確認もしていない、ということ。 出版された本をチェックもしていないし、出版社に確認もしていない。一応、それなりの立場のある人たちが、誰かが言い出したら、スワッ負けじと乗っかって批判する。恥ずかしくないのですかね。 今日もTBSの『ひるおび』で取り上げていましたが、なんとか、批判に持って行こうと、必死な様子で情けなかった。さらに輪をかけて、コメンテイターで出演の竜崎某という元記者さんが、「公文書と言うのは非常に大事なもので、3章4章を削ったというのは、文春も菅総理も公文書なんか重要ではない、と考えているからです。許せん」みたいに感情的に怒っていましたっけ。この論理って、完全に、頓珍漢でズレていると思いません 公文書に関する本ではない。菅さんという政治家の人となりを伝える本なのでしょ。過去の著書の一部を利用するのもありだし、使わないのもありだし、構成を変えるのも加筆するのも、それは、編集者と著者で決めればいいのではないですかね 世の中、なんだか頓珍漢に動いている。 新内閣のあらをなんとか見つけて、批判したい、という勢力の意思は分かるけれど、世の中、多種多様な問題が山とあるのだから、もう、こんな低次元なことで騒ぐのは止めて貰いたいもの。 TV朝日のモーニングショーでは、「そうやって話題の箇所を削れば世の中が騒ぐのは当然で、文春はそれで売り上げを伸ばそうと計算したのではないか」と言ってました。なるほど。文集がそこまで計算したならば、大したもんです。はて、菅氏の親書、売れますかな