「ゴチになる」はすでに死語だった
20代の子が食事代を奢ってもらった、というシチェーションの台詞を書く必要があって「ゴチしてもらっちゃった」と書いたら、若手編集者に「若者言葉として不自然」と指摘されてしまいました。 え そうなの ゴチになるって使わないのじゃあ、今時の若い人は、なんと言っているの 正直、びっくりでして。 それで周辺に聞いてみたんです。そうしたら「30代40代でもゴチになる、なんて使わない」そうで、「そもそも、若い世代は割り勘文化だから、そういう状況にならない」・・ということらしい。 ゴチするって、ナインティナインの番組『ゴチになります』から浸透した言葉だろうと思うんですね。おそらく、スタート当時、流行りだしていた言葉で、それが、番組の人気と共に根付いていった・・。 あれ、いつ頃から始まったんだっけ と調べてみたら、スタートは1998年だと 四半世紀ほども前長寿番組だったんですねぇ。 今でも番組は続いていますが、「ゴチになる」は一般名詞化には至らず、賞味期限が終わった死語になっていた・・ということらしい。 いやいや、うかつでした。私は、そのすでに完全に色褪せてしまった言葉を、得意になって使っていた、というわけで。「ナウイ」を連発するオジサン並みに恥ずかしい。 じゃあ、今の若い世代はなんて言っているのと聞いたら、「奢ってもらった」「ご馳走になった」と普通に使っているらしい。なんと、一周回って、極めてまっとうな言葉に戻っていた、ということなんでしょうか。 教訓的には、はやり言葉はあっという間に色褪せる。「古くさい」と言われることを恐れず、地道に、普通の言葉を使用しているのが、よろしいようで。