猿之助事件に見える歪な価値観
何年も前の話だが、小泉今日子さん豊原功補氏の「不倫騒動」というのが話題になったとき、上沼恵美子さんがご自身の番組で、二人の決意の強さみたいなのを持ち上げ、 「奥さんにキョンキョンの持ってる才能はないんです。やっぱりキョンキョンなんです、ごめんなさい。奥様1つ上にいきませんか。あなたは立派に好きな豊原功補さんの子を宿し、育て、女として大仕事を成し遂げたんだから、とっても素晴らしいと思います」とフツーの主婦だろう豊原妻は、潔く引き下がりなさい、・・としかとれない発言を堂々としたのでした。 それはネットニュースで大きく広がり、私でも知るところになったわけだけれど、よくもまあ、こんな失礼なことを公の電波に乗せて発言し、周辺もそれを許すなぁ、となんというか、「芸能人の驕り」を感じて、とても嫌な印象をもったものでした。 飲み屋の仲間内の会話で「天下のキョンキョンには普通の女は敵わないよね」と感想を語るぐらいなら、そりゃあ、あるでしょう。だけど、赤の他人が、相手が一般の女性だからと言って、「奥さんにキョンキョンの才能は無いんです」と公言して、許されるものなんでしょうか 強烈な「差別発言」でしかない。 今回の猿之助事件。 これまた「猿之助さんは、責任感のある方で重責で辛かったのでしょう」とか、「一日も早く舞台に戻ってきて欲しい」といった、猿之助擁護のコメントが、繰り返し出てきています。 これらの発言には、亡くなったご両親の死を悼む要素がない。 亡くなった母親の延子さんは、しっかりした方だった報道されている。そんな母親が、息子のスキャンダルが週刊誌に出ることを知って、「分かった、みんなであの世にいきましょう」となりますか フツーならまずは、なんとか傷を最小限にするべく、画策しようとするのではないか 父親の段四郎氏は、認知症と癌におかされていた、とこれも報道で知ることですが、仮に認知症が進んでいたいたとしたら、「そうだ、みんなで心中しよう」とは思い至らないだろうし、十分に考える余地があって、「死んでお詫びを」みたいな気持ちになったとしても、「関係者へ謝罪を」とまずは考えるのでは無いか ともかく、この事件、全てが変なことだらけで、殺人事件の可能性も十分あるのに、どうもメディアや芸能界や歌舞伎ファンの頭の中は、猿之助という才能ある役者を、潰したくない・・そこしか、ないような印象で。 人が二人、亡くなっているのですよ。高齢の、すでに一般人枠のお二人かも知れないけれど、平等に貴重な命だったと思うけど。 発言の一部の切り取りで、「差別発言」があったと、大騒ぎする人達が、こういう差別を平気でしている。その歪さに、メディアも芸能界も気づくべきだと思いますね。