オペラ文化を支えていく方法
東京文化会館でのローマ歌劇場の来日公演、行ってきました演目は「椿姫」と「トスカ」。 ローマにいた頃は、よく通ったんです。あの頃だってオペラのチケット代は安くはなかったけれど、ユーロになる前のリラの時代。我々にも、手が出たんですね。 コロナ禍の前、イタリアからオペラ座が来る、というので、もう、イタリアまで行って鑑賞する機会もないだろうから、思い切って観に行くか・・と期待していたら、コロナ禍になって全ての公演がなくなってしまった。 それから4年。ようやく実現する日本での公演。オペラですから、料金は凄まじく高いです。かなりの高額なのに、我々の席なんて、4階のバルコニーでほぼ天井桟敷。「5階まであるから、4階の席は天井じゃない」とテイシュは言ってましたが、最前列でも、地上からの高さは十分高く、演者の顔なんて分かりゃしない。 それでも、久々のオペラは素晴らしかったですが。 何故、オペラ公演は高く付くか。そりゃあ、指揮者や演出家、主役クラスの歌手以外にも、管弦楽団から、合唱団からバレー団まで引き連れて、ですから高くなってしまうのは、分かります。舞台装置も凝っているし、衣装も相当にお金が掛かっている。 劇場側も、なんとかならんかと考えるのでしょうね。「ロイヤルシート」というのを用意している。S席(一番高い席)のチケット代の他に40万円の寄付をすれば、さまざまな特典を付けますよ、オペラ文化を衰退させないためにもどうぞ、ご協力を・・ということのようです。 我が家には無理ですが、世の中には、余裕のある人もたくさんいるようで、着飾って、幕間にはロイヤルシートメンバー専用のスペースで、優雅にシャンパングラスを傾けて歓談していらっしゃいましたっけ。 一方で、エレベーターもエスカレーターもない4階5階の席(何度も言いますがそれだって十分な高額で)に、不自由な足で苦労して階段を上るお年寄りもいて、幕間にはトイレの前は、長蛇の列。 どこの劇場もそうなのかもしれませんけど、トイレとエスカレーターの件、経営上、厳しいのでしょうけれど、なんとかならんのか、と思いますね。オペラを支えるのは、年寄りばかりなのだし。 余談ですけど・・。公演終了後、SPに囲まれ、VIP用の出口に向かう、小泉元総理の姿を見ました。小泉氏は、ロイヤルシートメンバーなんでしょうかね。いや、「元総理特別枠」という枠なのかもしれんが・・。