大統領選報道から見えるメディアの衰退
アメリカ大統領選、トランプ氏圧勝の結果で終りましたね。反トランプの米国メディアは、徹底的に彼の悪印象をアピールしていたし、現政権の民主党も、可能な限りの権力を行使してトランプ潰しに尽力していましたから、そういう中ですら、トランプ氏が圧勝し、上院でも下院でも共和党優勢となったのは、それだけアメリカ国民の、現政権への失望が大きく、トランプ氏の魅力というもの(日本のメディアは絶対伝えませんが)があったからなのだと思います。 個人的にはトランプ氏、ハリス女史どちらも好きでは無いし、それぞれに、大統領になって大丈夫という懸念を持ちましたが、ま、でも、他国のこと、決めるのはアメリカの国民で、日本の我々がやることといったら、淡々と結果を受け入れるだけでしょう。 そう思うわけですが、日本の大手メディアの反トランプぶりはひどかった。トランプ勝利を絶対阻止・・という立ち位置をあからさまに見せ、トランプなんてとんでもない・・の大合唱、常軌を逸していたといえましょう。 彼の悪情報だけ取り上げ、ハリス女史が同じようなことをしても言っても、一切報道しない。テレビに出てくるコメンテイターは、皆揃ってトランプ氏を悪くしかいわず、流すアメリカ市民のインタビューも、ほぼ民主党支持者の声。ハリス女史が中絶問題にターゲットを絞ると、中絶せざるを得ない女性は可哀想・・のレポートを延々と流す。 終盤、ネットで漏れてくる情報から、私なんぞでも「どうやらトランプ氏優勢らしい」と気づいているのに、「接戦だ」「大接戦だ」「いや、ハリス氏優位だ」と言い続けてましたよね。 他紙より共和党よりかな、と思われた産経新聞でも、開票日の当日の見出しが、『ハリス氏「民主主義を守る」、トランプ氏「(彼女は)嘘つきだ」』ですよ二人とも多々、発言している中で、わざわざこういう切り取りをしますかね。 結果が出た今朝になって、テレビの女性アナウンサーが、「ずっと接戦だというデータでしたものね、びっくりですぅ」とか言ってましたが、そうじゃないでしょ、トランプ有利のデータは、ちゃんと入っていたでしょ、敢えて蓋をして、「接戦」だとアピールしてたでしょ・・と白けましたね。 もっとびっくりは、今朝のネット記事に前嶋和弘・上智大教授の解説があって、『米国の分断と拮抗を反映した大接戦となった』とあったこと。 彼曰く「トランプ氏は、ポピュリスト的言説が功を奏し、無党派層の中でも共和党寄りの有権者の票を獲得することに成功したようだ。トランプ氏は「ハリス氏は急に黒人になった」などと中傷や虚偽の言葉を並べて意図的に国民の分断を進めた。自身の支持層をあおり、民主主義への大きな疑念を生んだ。」ですって。 結果は明らかに「大接戦」じゃなく圧勝だし。国民の一票一票が積み重なったものだし。米国政治学者を名乗るなら、こういう感情論でなく、きちんとした勝敗の分析をするべきで。 この手の「専門家」ばかり並べて、意図的な発言をさせ、反トランプの空気をつくろうとしてきた日本のメディア。一体、どこを目指しているのやら。日本の大手メディアは恥を知るべきです。 はっきりしているのは、こんなことをやっているようじゃ、TVや新聞の信頼は確実になくなるということです。すでに、ないとも言えるけど、ネ。