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三浦しをんの『天国旅行』を読んだ
天国旅行 タイトルの天国旅行は、もちろんあの鳥肌の立つ、ギターが咽び泣く天国旅行だ 頭には、 「せまいベッドの列車で天国旅行に行くんだよ 汚れた心とこの世にさよなら」 と引用されており、最後には 『天国旅行』というタイトルおよび巻頭の歌詞は、 THE YELLOW MONKEYの『天国旅行』(作詞 吉井和哉)より採らせていただいた。 とあるから間違いない 私は書くくせに小説が読めない現代っ子なので、だらーっとまとまりのない何十巻と続く小説より短編集が好きだ 『天国旅行』全234頁で7つの短編集からなる 一篇が30頁~40頁なので、適度に休憩を入れられるし読みやすい 片道3時間の道行きできれいに読み切った 『天国旅行』のテーマは心中 けど、電車を降りた途端線路に飛び込もうって気分になるような憂鬱な話ばかりではなかった 中には軽く沈む話もあったけども、その理由は「死」によってもらたらされるものではなく 女としての自分にあてはめた時の虚しさからくるものだった 7篇中2編が不倫に関わる話で、これがまた自分がコントロールしにくい醜い女の部分にぐさぐさくる 不倫と心中というと昔から枕詞のようなものだが 不倫の話になるとなぜ暗くなるのか… 明るい不倫生活(はぁと)や、不倫を成功させる7つの手法 なんて本は無いものだろうか あ、完全不倫マニュアルとかってぇのがあったな、昔… まあ不倫っつうと、どっちかが一人なのが大概は問題なのであって 両方後ろ盾がある、または一人の方もさっさと他に相手を作る それが不倫を成功させる秘訣かなと と、話が少しずれたが…… 全体的にこの本は、行き詰った人間の行きつく先を描いているというより、むしろ死の淵から這い上がり、少しの希望をもってもがいて生きていけというメッセージが込められているように思う 吉井の天国旅行のように、 笑いながら死ぬことなんてできないけど、孤独なつくしんぼうだとしても その苦しみを越えたら喜びになる だから今は死ぬよりあがけ そう言ってるのかなと 吉井和哉の歌詞を引用した意味はそこにあるのだろうと私は思った お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年04月07日 23時18分58秒
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