カテゴリ:家族
……土曜日は、姉一家も集まって、父を囲むパーティを催した。
このパーティの名目は、 出版記念会である。 あ~、いい響きだ♪ 笑 実は我が父、勤務先を定年退職後、こつこつと自分史を執筆していて、それがこのたび、いつもくらげでお世話になっているS社マイキ様のはからいで、立派な「自費出版」本のひとつとして日の目を見ることになったのである。 私も微力ながら校正その他のお手伝いをし、少しは親孝行をしたつもり。 その本はこちら。 タイトルは、「四万十の風」。 (著者名はペンネームなので、ご心配なく。笑) 四万十川の流れに恩恵を受けつつ過ごした少年よしお(仮名)の回想記である。 実父の戦死、実母の再婚を経て、実父の姓を守るために祖父母の元で育てられることになった少年……という、少々複雑な生い立ちを持つよしおだが、祖父にうなぎ漁を教わったり、校長から野球の特訓を受けたり、クラスの真面目な女の子に淡い恋心を抱いたり……という日々の記憶は、たとえば母のいない寂しさよりもずっとリアルに描き出されて、読後は何やら懐かしい気分を誘われる。 昭和20年、終戦の年の秋に生まれた父であるから、同世代にはもちろん、似たような境遇の者も相当あるに違いない。 そんな、どこにでもある話のひとつだとしても…… それは確かに、私の知る現在の父につながる姿でもある。 うん。なかなか面白いのだ。笑 この本、実は夏に出版の運びとなっていたのだが、なかなか紹介できないでいた。 本を出してからの父は、以前に増して活動的になり、もとの会社仲間や知人はもちろん、郷里の親戚やら同級生やらと何十年ぶりに連絡を取り合ったりしている。 「くらげ」の活動に倣って、地元新聞社に献本をしたり、書店で扱ってもらうことも実行に移している。 そして、本に登場する担任の先生や、気になる初恋の女性まで(!)ご健在が確認されたり、と、父にとってはまさに現在進行形なのである。 慶賀の至りというべきであろう。 ちなみに装丁は、私の尊敬するブックデザイナー・山崎登氏(実名)のお世話になった。 会社の仕事上のご縁が多少あるとはいえ、現在も第一線で活躍する氏に、僅かな御礼と甲州ワイン一本で、このようなお仕事まで引き受けていただけるとは(笑)有り難い限り。 そんなわけで、家族のささやかな御祝いの場は、父の希望でちゃんこ鍋。笑 両国にある割烹 吉葉は、旧宮城野部屋を回想した老舗で、店内に大きな土俵があるのがおもしろい店である。 土俵上では津軽三味線が催されていて、ただでさえざわざわした店内に孫3人衆が集う御祝い会だったので、父の得意な演説(!)は最短バージョンになってしまったが、ともかく賑やかに和やかに御祝できたのは嬉しい限りであった。 おめでとう、お父さん。 次作も準備中とのことですが、これからも応援していますよ!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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