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↓前記事の続きです。
メロスマラソン、スタート地点は五所川原市の新興地にある野球場、つがる克雪ドーム。 駅からバスも出ていたが、ウォーミングアップがわりに歩いて向かう。 大会開催が2回目ということもあって、まだ地元の参加者の方が目立つ雰囲気だ。 それでも、メロスの扮装(!)をした若者の姿もあって、やる気に溢れている。 そして、青空が覗き始めた9時にスタート。 しばらくはコーチのメロスことSさんが併走してくれるが…… 既に息が苦しい。汗 デジャブ……走りはじめた頃、皇居1周にくらくらして、コーチの饒舌にビビった日を思い出す。 ヤバイ。 鼻水と咳の影響で、呼吸のリズムは乱れまくり。市街地をぐるぐる回って、大きな橋を通って町を出る頃(3キロ地点くらいか)には、既に10キロ走った人のような息遣い。泣 そして、天気予報とは裏腹に差してきた日差しが、遮るもののない道を容赦なく照らしだす。たちまち噴き出す汗。 津軽平野。 今回の旅の最終目的は、自分の五感で津軽を獲得することでもあった。 太宰が戦中、無理をして旅支度を整え、自分の足で龍飛なり小泊までを歩いたのと同じように、と言えば大げさだが、没後50年を機になんとなく距離を置いていたダザイにまた別のアプローチを試みてみたかったのだ。 津軽鉄道の始点から太宰の生家までを辿るこのマラソンコースは、その旅には実にふさわしく思われた。 …… しかし…… 青々とした水田。 長く、真っ直ぐな道に一列に連なったランナーが…… 遠く1キロ先まで見通せる風景は、想像を超えて過酷だった。泣 長距離ランナーなら誰もが経験する、単調さとの果てしない闘い。 体調不良のせいとはいえ、それがこんなに早い段階でやってくるとは……! 9キロ付近、もう歩く寸前のところで、昨日金木で言葉を交わしたランナーに後ろから呼び止められる。驚 励ましあい、先を譲ったが、彼女も暑さに苦戦したようで、その後何度も抜きつ抜かれつ、ゴール近くまで一緒に走ることになった。笑 中間地点まで、それでもなんとかまともだったタイムも、一度歩いてしまったらもはや気力が続かない。 歩いて呼吸を整えて、また走り出す繰り返し…… 初ハーフは走り通したのに…… 屈辱感にまみれるが、足は動いてくれない。 「金木だよ、もう金木に来たよ」 津軽弁の2人組がそういって私の横を駆け抜けて行った。 金 木 だ っ て ! 沿道で声を張り上げて応援してくれる子どもたちがいる。 手縫いを日除けがわりに立ち、拍手してくれる老女もいる。 バス停で、町の集会所前で、人は自然に集まっている。庭先にパラソルとクーラーボックスを出して、さながら給水所のような家まである。これぞ太宰文学に書かれた津軽人! 涙に顔が歪みそうになる。 私の顔色が良くないのだろう、わざわざ顔の間近に手を出して振ってくれた主婦がいる。 斜陽館前。 津軽三味線の出迎えに力を得て、なんとかゴール! 嬉しかった。 ただただ、その瞬間が嬉しかった。 タイムは2時間20分もかかってしまったが、無事完走! 結論:人の力ってすごい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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