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6月7日の朝にいきます

6月7日の朝にいきます

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2024年08月27日
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​​​​20代から30代にかけて、主婦と生活社から毎年11月下旬頃に出版するムック本
「お節料理〇〇年度版」を手伝わせていただいた。

これは「主婦と生活」本誌の料理担当編集者が、ムックへも誘ってくださったから。
本誌では、私は安藤和津さんや榊原るみさん、生島ヒロシ氏夫人など、
料理上手な有名人のページも担当していて、その延長線上の仕事。
料理が得意でもない私に声をかけて貰えたことだけで、ありがたいことだった。

ほとんどが本誌と同じく有名人(俳優やタレント、作家もいた)に得意な正月向けの料理を作ってもらい、
また新たな創作料理もそれぞれに考えていただき、レシピと共に撮影して載せるのだが、
実はこの正月向けムック、撮影や編集は毎年、編集の都合で必ず真夏の作業となった。

今はもうそんなこともないだろうが、当時は真冬にしか出回らない食材を探すのは至難の業。
築地の、編集部が懇意にしているお店に出向いて調達するのだが、
とくに「柚子がま」に使う柚子などは、決して真夏に用意はできなかった。
もちろん冬の間に購入して冷凍もしてみたが、夏に取り出すと茶色くなってしまっていて使えない。

ならば柚子がまなどオーソドックスな正月料理だけ、冬に別撮りしておけばいいだろうと思うが、
カメラマンを誰にするかや、全体の構成問題などで無理なのか、それも行われなかった。

ファッション誌は、毎号季節先取りの写真撮影を余儀なくされるが、
服や小物などは早々に流行が決まって制作が進むし、撮影までには必ず揃う。
モデルとなる人も、仕事であるから真夏に生地の厚い秋物を、真冬に薄手の春物を、着ることは厭わない。

お節料理の食材を編集者がなんとか探し出し、それを料理研究家が作品に仕上げていく。
ただ本番の日、編集者が立ち会うことはほぼなく、料理研究家とその助手、そしてカメラマンと私、のみ。
今のように料理専門のスタイリストはいなかったから、スタイリングは私の仕事だった。

前もっての打ち合わせで、料理を載せる器を編集者が決めて、当日までに運び入れている。
そこに私はお正月らしいさを演出する小物、たとえば羽子板や凧などの小物を用意する。
もちろん真夏に正月用の小物が雑貨店に並ぶはずもなく、自前だったり、元々編集部にストックしてある物だったり、
時にはハンズ等に頼んで倉庫から出してもらったりもした。

大変ではあったけれど、このスタイリングの作業はことのほか楽しくもあった。
かわいい小物が好きなので、あれこれと考えてテーブル上でレイアウト(コーディネイト)することは、
着せ替え人形にあれこれと、自作の服を着せるような感覚でもあった。


今、フリーペーパー等の料理のページをくるたびに、これらの日々を思い出す。
昔とは違って、料理をおもいっきりアップで撮る手法や、
ランチョンマットなど敷かずに直接テーブルの木の目を生かす方法など、凝っていておもしろかったりする。
個人のblogなどでも、レイアウトの見事な写真を見ると、感心しきり、となるのであある。









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最終更新日  2024年08月27日 12時00分15秒
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