ピアノのおけいこ
幼稚園児の時、2つの習い事をしていた。ひとつは地元在住の画家さんが開いていた「お絵かき教室」。月に4回、土曜日だったように思う。アトリエに通い、段ボール箱を逆さまにした即席の子供用テーブルにスケッチブックを置き、正座をして、その日の課題を写生したり、思うまま好きな絵を描いたりした。絵は得意な方だったようだが、幼稚園卒園と同時にやめてしまった。何故だか理由は覚えていない。もしかしたら就学前の生徒しかとっていなかったのだろうか?もうひとつは幼稚園の教室で午後に行われたヤマハのオルガン教室。ここで基本の指使いを習ったが、曲は何か習ったのだろうか? 子供向けの曲は弾いたような気がするが、すっかり失念している。ほとんどの園児が一緒だったと記憶するので、園の課外教室のようなものだったか。オルガンは、やがて小学校に上がると、ピアノに替わった。当時はピアノといえば個人で習うもので、私も近所のピアニストさんの家へ通った。あの頃、ピアノを習うことは流行していたのか、女の子も男の子も、小学校のクラスのほとんどの子供が習っていたようだ。バイエルの赤本と青本を終えたのは低学年の時で、その後は「こどものためのブルクミュラー」等。そしてソナチネのⅠ、そしてⅡへと移り、ソナタへと進んだ頃、高校受験のためにやめた。高校に受かり、その後はどうしたか?たまに教本を開いて弾いた覚えはあるが、さほど熱心ではなかった。40歳を過ぎて今のマンションに越した際、急にまたピアノを弾きたくなった。ただ実家にあったピアノは、妹に子供が生まれてしばらくした時に彼女たちの家に引き取られていた。ちなみに妹の夫も同年代なため子供時代に習っていたようで、けっこうな腕前のようだ。実をいうと、私は生のピアノより電子ピアノに興味を持った。以前書いたが、NHK「あなたのメロディー」で選ばれ、西郷輝彦さんが歌ってくださった「雨」(詩は私で、曲は友人)という曲にハープシコード(チェンバロ)が使われ、その音色にすっかり魅了されていたのだ。かといって、1,000万円は下らないハープシコードを個人で手に入れられるわけはない。でも、電子ピアノならハープシコード(チェンバロ)の音を選べると知ったからだ。今、寝室には電子ピアノと、バロックの譜面がいくつかある。電子ピアノを購入し、しばらくはハープシコードに設定してバロックを弾いて楽しんでいたのだ。今もバロック音楽やハープシコードの音色は大好きだ。でも…膠原病で右手が不自由になってからは、もう弾くことはできないでいる。