忘れられない「出張」はいっぱい(o^―^o)ニコ
取材であちこちに出かけられるのは、私にとってはとても嬉しいことだった。たとえば家の最寄り駅から在来線に乗る時でも、曜日や時間帯が異なると目にする景色が違う。だから日帰りでも泊りでも、いつもは縁がない場所へ行く出張は、尚更のこと興味深くて大好き。 特に新幹線や飛行機に乗っての遠出は、子供時代の遠足のように前の日からワクワクしたものだ。忘れられない出張は、いくつもある。音楽雑誌に書かせてもらっていた時は、バンドのツアーやフェスに同行して地方へ行った。サザン、オフコース、チューリップetc,etc,や多くのアーチストを迎えてのフェスなど。車内での取材も時間を決めて行えたので、アーティストと座席に並んで話をした。旅慣れた人たちであっても、やはり旅は気分が高揚するようだ。都内のスタジオでインタビューする時とは違って、思いがけない本音が漏れたりもする。コンサートはほとんどが夜6時とか7時の開演。撮影は「頭3曲&アンコールだけ」と規制がかかることがほとんどだったが、コンサートそのものはPA席の真後ろ辺りのマスコミ席でずっと観賞できる。コンサートが終わると、必ず近所の店で打ち上げ。ここでも取材は続行された。旅費も宿泊費も食事代も、すべて編集部持ち。それもとてもありがたい。プライベートではこうもいかない。俳優さんへの取材も同じことで、撮影所が京都だったら当然そこへ行く。日本全国どこにでも…。現地での移動はタクシーかハイヤー。その車中でさえ、窓の景色にウキウキしていた。有名人ではない一般人と呼ばれる人の取材で忘れられないのは、三宅島や大島、そして福島県の過疎地で、子育てをしている人たちの取材した時のことだ。大島では政府の許可を得て塩作りをしている家族。三宅島では「人間牧場」というコミュニティー。福島の過疎地では、山菜を採って生計を立てていた数世帯。電気もガスもなく、トイレすら作られていない。「夜中には獣が出るので、用をたしたくなったら、この犬を連れて出て、その辺でしてください」そう言われて客人が泊まるための小屋に案内され、中型の雑種犬の手綱を渡されたっけ。飛行機で札幌に行き、取材を終えて一泊。その次の日に福岡へ飛行機で行ったこともあった。おかげで、仕事だけで47都道府県のほぼすべては制覇できた。どれもが、滅多に経験できない貴重な時間だった。出張の際は、猫たちは都度、恋人や友人や落合時代は女性の管理人に頼むことができた。ただ、光稀が最後の一頭になった後は、甘えん坊で少し知的障碍がある光ちゃんが心配で、泊りがけの出張はすべて断るようにした。でも、大好きな出張を断っても、光ちゃんを優先することに、何のネガティブな思いはなかった。それほど、私にとって、猫たちは大事な存在だったから。今も旅行や花散策で出かけることが大好き。ただ体が言うことを利かなくなってからは、身近な場所にしか出掛けることはできないが…。