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カテゴリ:日々の旅
今日は満月。 (17日の早朝に書いています) なのに、東京は朝から雨が降りしきっています。 久しぶりの雨です、慈雨です。 お陰で、早朝から天然クーラーのような涼しさ。 快晴が続いて暑い毎日でしたが、今日は一転、まるっきり空気が変わりました。 秋が感じられるような天候ですね。 旧暦では立秋を過ぎ、もう秋なのですが。 今日は身をもって感じられ、懐かしい気持ちになります。 きっと、台風の影響なのでしょう。 さて今日は、旅の終わりの経緯について書きます。 10泊12日の旅の最終、10泊目です。 行程は、以下の通り。 8月12日(火): 岡山⇒阿波池田(12泊目) 8月13日(水): 阿波池田⇒徳島⇒大阪⇒東京 旅の一行は、わたしロンと、小6の息子だいちと、犬のチワワのトドニの3人です。 ◇ ◇ ◇ 今から30年ほど前に、『ルーツ』と言うTVドラマが流行った。原作の小説もベストセラーになり、自分のルーツ探しが流行した。わたしは、ドラマも小説も横目で見て、特にこれといった行動を起さなかった。まぁ、たぶん、機が熟していなかったということか。しかし、自分のルーツ探しと言うテーマは頭の片隅にずっとあって、時に思い出しては、出来る範囲で自分の駒を進めていた。 四国の阿波池田は父親の里で、わたしのこの世の始まりは、その近くにある阿波加茂という町。四国の山々に囲まれた、吉野川流域に位置するその町で産声をあげた。吉野川の上流から、ぷかりぷかりと流れてきたという説もあるのだが(笑)。出産のために母が里帰りをしていたもよう。たぶん、その実家でお産婆さんにとりあげられた。その後、産後の肥立ちでしばらく滞在していたはず。だから、わたしには四国の血が流れている。その後、両親が住んでいた倉敷に戻ったので、育ちは岡山だ。 子供の頃、長期休みになると、良く四国へ里帰りしていた。瀬戸内海を連絡船かフェリーで渡り、異国の空気を吸った。同い年の従兄弟たちと遊んだり、爺さん婆さんに可愛がられた思い出は一生忘れない。岡山の実家へ帰った日には、なかなか寝付けずに、寝床で何度も思い出を反芻した。「楽しいことはどうして早く終わってしまうのかな?」と、良く思ったものだった。 成人してからも、何度か四国へ行く機会はあったが、意識的に足繁く通うようになったのはこの4~5年。特に、同じ年の子供を持つ徳島在住の ぴあの@サファイアさんと知り合ってからは、その回数が増えた。足がかりが出来た感じだ。岡山への帰省や関西への旅を機会に、ひょいと四国へ渡る。今回の旅も、岡山からの帰路に四国を通ることを選んだ。 ~瀬戸内海(西の方向)~ 岡山駅8時50分発の特急南風3号高知行きに乗って、10時半頃に阿波池田に着く。駅の近くの「へそ公園」という所で朝食におにぎりを食べまる。せっかく四国の山中まで来たので、半日観光をしようかな。バスターミナルの観光案内所で聞いて、大歩危峡と祖谷(いや)渓谷のかずら橋へ行くことにした。切り立った渓谷の曲がりくねった山道を路線バスで移動する道行きは、なかなか楽しいものだった。トドニはゲージの中で身を潜めていたし、息子のだいちはゲーム機に夢中だったけれど、わたしは次々と移り変わる景色に夢中だった。 ~祖谷の山並み~ 大歩危では川くだりの遊覧船に乗った。さすがに犬連れはわたしたちだけだった。だいちはバスの中で半分寝て、眠そうな顔つきだった。四国山脈の斜めに走る岩肌を眺めた。舟は大歩危から下って小歩危の際まで行き、Uターンして船着き場へ戻った。大歩危では岩が上流に向かって突き出すように斜めにそそり立っていた。際中りではそれが水平になり、小歩危では反対に下流に向かって斜めに突き出ると言う。この辺りは、四国の香川県側から四国山脈を越えて高知県側に渡る際の峠に中るのだろう。わたしは、自然の岩肌が作る斜線に見惚れた。 ~大歩危峡の遊覧船~ ~大歩危峡:そそり立つ岩~ 大歩危峡の上のレストランで昼食をとり、また路線バスに乗って祖谷のかずら橋まで行く。植物の蔓で作られた吊り橋だが、今ではワイヤーで補強してある。たくさんの観光客でひしめく中、橋を渡る。揺れる橋を怖がって、途中で引き返す女性がいた。だいちはかずらの手すりに掴まりながら、わたしはトドニのゲージを片手にひょいひょいと平気で渡った。下に流れる渓谷では、川遊びをしている人たちがいた。楽しそうだった。ここは山の奥の奥だが、今ではもうすっかり観光地になっているのだ。 ~かずら橋を渡る~ ~かずら橋・遠景~ 何より驚かされたのは、このような山奥にも昔から人が住んでいたということだ。バス道から山の上の方にも、何軒も民家が見えた。昔からの民家だろうか。平家の落人の伝説も残っているそうである。何を生業としていたのか? 山の民は狩をして食べていけるのかも知れない。また、タバコ農家が盛んだったとされる地域でもある。四国山脈は険しく、山肌は、どこか屋久島の山に似ていた。ところどころ岩肌がむき出しになっていたりするが、緑はとても豊かだった。帰りのバスの中で、また、山肌に見惚れた。 ~岩肌や潅木が見える山肌~ ~緑豊かな山々~ 半日の四国渓谷めぐりをした後、宿にたどり着いた。 今回は犬もいたのでお忍びにして、阿波池田の古老旅館に宿を押さえていた。楽天トラベルで調べていたら、たまたまペット可の旅館があったのだ。そこは不思議な旅館で、入るなりミニチュアダックスフントの犬の吠え声に迎えられた。通されたのは、大人1人子供1人犬1匹なのに、10畳と6畳の2間の和室で、しかも、部屋名がない内座敷のようなところ。素泊まりで、値段はリーズナブル。息子のだいちが「幽霊でも出るんじゃないの?」としきりに訝しがるのだが、そんな雰囲気もなく小奇麗な宿だった。 ~宿でくつろぐトドニ~ しばらくすると、仲居さんがさっきの犬連れで訪ねて来た。トドニとしばらく匂いを嗅ぎ合いながら挨拶をしていた。その旅館の従業員はみんな犬好きと言うことで打ち解け、きっとトドニのお陰でこの部屋が与えられたのだなと推論した。広すぎて落ち着かないというだいちもその内に慣れて来て、幽霊屋敷の件を仲居さんに聞かなくてすんだ。その夜は宿でゆっくりして、いよいよ翌日は、ぴあのさんとそのご子息おなもみ君と会う予定をしていた。 (つづく) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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