ひときわ輝いて ― フェルメール 「牛乳を注ぐ女とオランダ風俗絵画展」 ―
フェルメールを観たい一心で、行き慣れない国立新美術館の「フェルメール -牛乳を注ぐ女とオランダ風俗絵画展-」に行きました。会場は、この展示会のチラシさえなくなるほどの人出。展示は17世紀頃の油絵が半分、版画が半分です。板に描かれた緻密ですが暗い色調の絵画のエリアを抜けると、フェルメールの「牛乳を注ぐ女」があります。第2エリアは「牛乳を注ぐ女」一枚。そして大混雑。他の絵より遠く1mほど離れて、A4よりわずかに大きい小さな絵を観ることになります。印象は、とにかく明るく綺麗な絵です。この時代の暗い色調の絵画と一線を画すのは分かります。カメラ・オブスキュラを使った説もある1点に視線が集まる遠近法。たしかに時代を一歩リードしていたのでしょう。37枚しかないという絵の1点が観れて、とりあえず満足です。盗難されて、いまだに発見されていない絵もあるのですから貴重です。しかし、まさにフェルメール1枚のための展示会。見所の少なさは、否定できません。また今回は絵の寓意の説明を期待して、珍しく音声ガイドを借りました。前半は寓意の説明も多く面白い内容でしたが、後半はおざなりな説明と感じました。ところで、デルフトの陶器の展示もありました。しかしミュージアムショップでは、デルフトタイル一枚が22,000円と高額。私としては、会場の1番最後にあるニコラース・ファン・デル・ヴァーイの「アムステルダムの孤児院の少女」がお勧めです。最近行った美術展に、順位付けをします。ムンク展がベスト、次にフィラデルフィア美術館展、そしてフェルメール展が最後でしょう。ムンク展は「叫び」がなくても、十分楽しみました。フィラデルフィア展はここの絵は素晴らしいのですが、まとまりの悪さが減点です。後で音声ガイドを借りてもよかったかと思いましたが。皆さんも、芸術の秋をいかがですか。【展示会】「フェルメール -牛乳を注ぐ女とオランダ風俗絵画展-」【関連日記 1】デルフト フェルメール 【関連日記 2】それは 魂の叫び ― ムンク展 ―【関連日記 3】ふたつの眼に 翻弄されて ― フィラデルフィア美術館展 ―