水が戦車に変わる時代 ― 水の世界地図 ―
日本の最大の資源。それは水。地球は、急激な乾燥化を迎えています。2050年には、世界人口の半数が深刻な水不足に苦しむという。今日でもナイル川の水は、あまりに広範囲の灌漑に使われ、地中海に流れ込む水はほとんどありません。WHOの発表では、今でも1時間あたり200人も汚水が原因の病気などで命を落とします。年間では、毎年170万人も。中国の長江には、毎日4,000万トンの産廃物と未処理汚水が流れ込む。北京の地下水中の、硝酸塩濃度は50mg/リットル。これは日本の1,000倍の汚染度。汚水で有名なインドは、ヤムナ川に年間2億リットルの未処理汚水が流れ込む。しかしカナダの汚水流入量は、1兆リットル。一見綺麗なカナダは、非常に汚い水の国。地下水のくみあげで、地盤沈下が進みます。カリフォルニアは、既に10m沈下しました。また地下水が減ると、塩水が流入し、残った地下水も使えなくなります。2025年には危機的な状況となり、恐ろしい水の争いが始まるとされます。21世紀の戦争のひとつは、水の争い。現実にセルビアでは、NATO軍もダムや水源を攻撃目標にしました。トルコは現在、タンカーで水をイスラエルに輸出。トルコの水の輸出はさらに、キプロス、マルタ、クレタ、ヨルダンにも。その見返りに、トルコはイスラエルから武器を購入します。水が戦車に変わる時代になりました。あらゆる統計から、日本ほど水の豊かな国はありません。しかも浄水設備もよく、とても綺麗な水。あまりに豊かな資源に、私たちは水のありがたさを忘れています。世界最高レベルの、綺麗で豊富な水の保有国。その本当の価値に、私たちは一刻も早く気づかなくてはなりません。40億人の人々が、水に餓え、奪い合う。それはわずか、50年後の世界なのです。