神様は勉強熱心 - 神宮寺 -
神身離脱を願う神様のために、神社の傍に建てられた寺院。それが「神宮寺」と呼ばれる寺院です。715年、気比神(けひのかみ)が「仏道に帰依したい」とおっしゃいました。神宮寺とは、神様が仏教を修めるための寺院。権現様は、仏様や菩薩様が仮の神の姿で現れたもの。神様と仏様が混在しますが、神宮寺には仏道に帰依した神様、権現様は仏様(仮の神様)がおられます。また「神宮」は、神宮号を名乗る「神社」です。天皇の祖先神を祀る神社など、一部の神社のみが「神宮」になりました。ですから、「神宮寺」は寺院ですが、「神宮」は神社です。その他にも、神社や寺院の区分は複雑です。神仏習合のあいまいさ、神仏分離や廃仏毀釈の混乱が、この混乱を招きました。ただ、神宮寺の仏教を学びたいと考えた神様。そんな神様の勉強熱心さには、好感を持つ私でした。