肉が食べたい - 数え方 -
仏教で動物を食べることを禁じられた頃の日本。それでも人々は、肉が食べたくてたまりませんでした。そこで人々は、動物の肉食をごまかす方法を考えました。例えば、ウサギの数え方は「一羽、二羽」。これは羽の様な長い耳を持ち、飛び跳ねるウサギは「鳥」だとごまかしたもの。ウサギは鳥なので、動物を食べてはいないとごまかしました。空飛ぶムササビやモモンガも、鳥と見なしました。さらに、ムササビが年取ると「ももんじい」になり、それも食べてよいとされました。実は、ももんじいとはイノシシのこと。ももんじいは、イノシシを食べたい欲望からに生まれた妖怪。さらにイノシシの肉は「山くじら」。魚なので、食べてよいともされました。くじらは魚ではありませんが。イノシシ肉は「ボタン」とも呼ばれます。シカ肉は「もみじ」、ウマ肉は「さくら」。いずれも、植物なので食べて良いのです。ごまかしながら、食べる肉。厄介なごまかしに、今も数え方や呼び名は混乱しています。ウサギの数え方は「一匹、二匹」。それで良いではないでしょうか。【以前の日記】 「扇じゃないのに - 孔雀 -」