哀しい歴史を伝えるもの - 鬼灯(ホオズキ) -
最近、鬼灯を見なくなりました。意識はしませんでしたが、鬼灯は農家には必ず植えていたと言われます。なぜなら、7月7日には、鬼灯を薬として飲む風習があったため。実は、鬼灯は毒草です。鬼灯の根にはヒストニンが含まれ、妊婦が飲むと流産の恐れがあります。7月以降、秋にかけては、農家は繁忙期。この時期の妊娠は農作業に支障をきたすため、鬼灯は堕胎薬として使われました。今日でも、お盆には鬼灯の実を提灯に見立てて飾る風習が、残る地域があるそうです。鬼灯には死のイメージが付きまといます。鬼灯を見なくなった事実を祝いたい。物言わぬ鬼灯は、悲しい日本の歴史を伝えているのだから。 ※ウィキペディア フリーライセンス画像より