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カテゴリ:高見彰七
にほんブログ村 高見観音の製法について考察します。 ● 型枠の使用について 浄法寺の高見観音の足元側面からの写真です。 像の前後で着物の裾の造形に段差ができています。 (浄法寺) 型作成のミスと思われますが、 同時に型を使った証拠でもあるでしょう。 ● ヒビ割れについて 高さ1mを超える高見観音の多くに、 型の接合部に相当する箇所にヒビ割れが見られます。 特に多くの大型作品が並ぶ妙楽寺では、 大半の像に同様のヒビ割れが観察されます。 (妙楽寺) ● ヒビ割れの理由 「型の接合部だから割れる」という表現は正しくはありません。 それには製作法が関わっています。 (妙楽寺) ●前後の材質の違い モルタル(セメント+砂)での作像には、流動性の良いモルタルを 型に流しこまなければ、型通りのモルタル像はできません。 また細かい砂を含めたモルタルでなければ、大粒の砂や小石が 顔に出ると失敗作になります。 後部背面も同じモルタルで良さそうですが、高見彰七氏は特に 背面にはコンクリートに近い粗いモルタルを使ったようです。 強度を高めるねらいかもしれませんが、 劣化の結果、背面が粗材に見えているのかもしれません。 ただし、今日の工芸などに使われているモルタルに比べて、 高見彰七氏が使ったモルタルは粗く、コンクリートに近いものです。 (心学院) 次回、専門家の意見を参考に、 製作手順から、ひび割れの理由等について説明します。 【 虚無・猫 】 < ↓ ランキングクリックはこちらから > にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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