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カテゴリ:高見彰七
にほんブログ村 高見観音の製作手順について推察します。 専門家の指導を受けていますが、私からの情報を基にした推定です。 今後、まだ見直しがあるかもしれません。 また型枠を使ったモルタル像の作成は難しいこともわかりました。 1.型枠原型像 型枠の型取りをするためには、観音像の原型像が必要です。 原型像は粘土などの造形が容易な素材で作ったと推定されます。 2.分割型枠の使用 小像を除く、高さ80cm以上の観音像では2分割型枠を使っています。 その型枠は組み立ててモルタルを流し込むのではなく、 観音像前半身、後半身別の型枠にモルタルを入れて固めたようです。 モルタル像の取り出しを考慮し、型枠には離型剤を塗ります。 3.補強材の使用 モルタル像の補強は金網が使われます。 しかし高見彰七氏は、大型化を意識して鉄筋を使ったようです。 4.メートル法の採用 高見彰七氏はメートル法で観音像を製作しています。 これは尺貫法を使う仏像の慣例からは異例です。 5.前後の接合 前後別々に製作したモルタル像は、接合しなくてはなりません。 前半身像と後半身像は、 接合面に専用接着剤かセメントを塗り、接着します。 6.前後接合面の処理 この工法では前後の接合部が明瞭に残ります。 その接合面を埋めるためには、「ノロ」を使います。 ノロとはセメントを水で希釈したパテ状のものです。 ノロを接合面に塗ることで、接合面は綺麗に継ぎ目なく仕上がります。 7.塗装 モルタル像で塗装は必須です。 防水し耐久性を保つためと、ノロなどでの補修箇所を隠すためです。 残念ながら、高見観音の多くは塗装が剥離しています。 「妙楽寺の大型観音」 この観音像も前後接合面でヒビ割れ 次回はなぜ、この結果接合面がひび割れたかを説明します。 【前の記事】 「高見観音の製作方法 1」 【 合掌 】 < ↓ ランキングクリックはこちらから > にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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