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アンチエイジングの鬼

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2014年06月17日
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みなさま、こんにちは。
ムシムシする暑い毎日ですね。



田植えの筋肉痛もそのままに、先週はあれから雑誌SPURの撮影へ行ってきました。
編集部のみなさまの中でアムリターラを愛用下さる方が多く「美の伝道師たちの金言・銀言」の連載ページへの登場させて頂くことになりました。
旅疲れで顔がまじでやばかったのですが、なんとか顔の筋肉を自力で上げ上げで頑張りました(笑)
7月発売号だそうです。よかったら見てみて下さい!



我が家の畑では、種が良い感じに乾燥してきたので、日曜日種取りをしました。
のらぼう菜、小松菜、赤水菜、からし菜。
大根とルッコラは、乾燥までまだもうちょっとです。
種が大収穫だった、のらぼう菜と小松菜と大根、ルッコラは、またコスメブランドのほうで秋にでもプレゼント出来そうです。
F1の種ではない、種取り出来る自家採種のオーガニックの種なので、みなさまでまた種取りして、どんどん命を繋いで行って下さると嬉しいです(^0^)/


さて、前回中途半端に脳のことを書いたままになっていまして、すみません。
もう、忘れてしまった方もいらっしゃると思うので、もう一度ざっと復習です。



脳にはざっくり分けると、生命の中枢である「脳幹」と中心部にある「大脳辺縁系」という原始脳とその外側の「大脳新皮質」という大脳の90%を占める部位があります。
「大脳新皮質」は、思考や知覚、言語、記憶、運動、合理的で分析的、理論的な思考など、高度な機能を持っています。

高等な動物になるほど大脳新皮質が発達していますが、中でもおでこの下あたりにある「前頭連合野」という部分は、思考、判断、意欲、感情、理性を司り、五感から集まってきた情報を整理して、衝動を抑え、理性的に意志決定をして指令を出す、人間が人間らしくあるための中枢、司令塔です。
人間はこの部位がすごく大きくて大脳新皮質の30%が前頭連合野です。
ここが事故などで損傷してしまうと、何事にも興味が持てない無気力無感動になったり、性格がまるで変わってしまいます。

さて、理性の前頭葉とは逆に、いわば本能的なものを司っているのが大脳新皮質の内側、中心部の「大脳辺縁系」です。
大脳辺縁系はワニの脳とも呼ばれていて、好きとか嫌いとか、快、不快、恐怖、怒り、喜び、悲しみ、愛着など、他の動物でも持っている「原始的な情動」を司る箇所です。
食欲や性欲といった生存本能が起こるのもここです。

この中でも、「扁桃体」(アーモンドの種のような形なのでこの名がつきました)という部分が、好き!とか嫌い!とか恐怖!といった感情に関係する場所です。
「側坐核」という部分は、報酬ややる気、快感に関係しています。

これらの脳の部位はバラバラに動いているわけではなく、連動して協力しながら働いています。
連動させるための情報を、脳のさまざな場所に伝えているのが、「神経伝達物質」です。
脳の神経細胞は千数百億個もありますが、その神経細胞同士は繋がっていません。
そのため、さまざまな神経伝達物質によって必要な情報を伝えています。

なぜ、そんな面倒くさいことをしているのでしょうか?
最初から神経細胞同士が繋がっていたら、全情報が全脳に行きわたるから便利そうに思いますよね?
しかし、脳は前述したように役割が個々で違います。
どんな情報もすべて伝えてしまうと、情報過多になって脳がパンクしてしまうのです。

だから必要なところにだけ必要な情報を伝達し、神経伝達物質の中にも興奮性のものもあれば、抑制性のものもあるので、バランスを取りながら分泌されています。
その種類は100種類くらいあると言われますが、働きがあきらかになっているものはまだ少ないです。

主な神経伝達物質
●アミノ酸
グルタミン酸・・・興奮性の伝達物質
ギャバ・・・抑制性の伝達物質
グリシン・・・抑制性の伝達物質

●モノアミン
アセチルコリン・・・興奮性、記憶に関連
ドーパミン・・・興奮性の伝達物質 快感、やる気に関連
ノルアドレナリン・・・興奮性の伝達物質 怒り、やる気に関連
アドレナリン・・・興奮性の伝達物質 恐怖、やる気に関連
セロトニン・・・精神を安定させる調整役
メラトニン・・・睡眠などの生体リズムに関連

●神経ペプチド
エンドルフィン・・・痛みを和らげる 幸福感に関連
エンケフェリン・・・痛みを和らげる 幸福感に関連


心は、神経伝達物質の量やバランスに大変影響を受けています。
興奮性の伝達物質が多すぎるとイライラして神経過敏になりますが、またこれが少なすぎてもやる気を失い、うつになることもあります。

どの伝達物質が良いとかいう話じゃなくて、これらがバランスよく分泌されることで、さまざまな感情が生み出され、心の平安や、やる気や生きる喜びや、悩みや、愛や悲しみや、いろいろな人間らしい感情が生み出されるのです。


この神経伝達物質のバランスが崩れないことが、心にとっても美容にとっても、人生にとっても、欠かせないことだと私は思っています。


神経伝達物質は、大脳辺縁系にあるアーモンドの種の形の小さな小さな「扁桃体」の働きで分泌されます。
扁桃体の指令で、神経伝達物質を脳内の各場所に放出しているのが、命の脳である脳幹にある「神経核」という神経細胞の集まりです。
神経核は脳幹に列をなして並んでいて、A、B、Cと3つの系列があり、さらにそれぞれにA1とかB5とか数字がついていて、左右対称に計40個の神経核が並んでいて、箇所によって、ドーパミン担当とか、アドレナリン担当とか、いろいろな役割で分かれています。

この中でドーパミンの放出を担当しているのが、A8~A16ですが、A9神経系とA10神経系は特に大きくて重要です。
ドーパミンは快楽物質で、簡単に言ってしまうと人間の「ウキウキ、わくわく」を司っています。


楽しいことをしている時、何かを達成した時、誉められた時に嬉しいのはドーパミンが出ているからです。
何かをしようという意欲や、やる気が出るのも、ドーパミンが出ているからです。



ドーパミン担当の神経系の中でも「A10神経系」は報酬系とも呼ばれています。
報酬系とは、ドーパミンが出る快楽を脳が覚え、その行為によって快楽を感じることを学習し、またその感覚を得たいがために、その行為を再び実行したいという意欲が生まれるということです。

この報酬系があるからこそ、環境に適応したり、高度な社会文明を築くことも出来ます。
目標を達成することを積み重ねることで、更に大きな意欲が生まれます。

ただ、この報酬系には1つ問題があります。
A10神経が暴走しないようにA6神経がギャバを放出して抑制しますが、どうやら前頭連合野にドーパミンに対する抑制機能がないようなのです。

A10神経系は、仕事や勉強など自分にプラスになることであれば、良い面が多いのですが、ギャンブルとか、薬物などによってドーパミンが出てしまうと、これに対しても再び同じ快楽を得ようとしてしまう場合があります。
ここに「依存症」という問題が生まれます。

例えばパチンコで大量に玉が出た時には、ドーパミンも大量に放出すると言われています。
脳はこの快感を学習し、再び得たいと思ってしまうのです。

覚せい剤というものも、このドーパミンと報酬系に関連します。
覚せい剤の成分はドーパミンと構造が似ているので、ドーパミンの放出を促進し、ドーパミンの再取り込口を妨害して、脳内のドーパミン濃度が結果的に高くなります。
コカインやアヘンなんかにも、興奮性の伝達物質の濃度を高める作用があります。

そのためこうした薬物には特に依存性が高いのですが、繰り返すことにより誇大妄想、神経過敏、不眠、混乱、幻覚、不安、攻撃性、不整脈、血管損傷、気憶力の低下など恐ろしい結果を招くのはご存じのとおりです。
私が何よりも怖いなと思うのは、人間が持つ「やる気」とか「意欲」とか「目標」とか、「ワクワクドキドキ」とか、「よりよく生きたい!」という生きる喜びを司るこのA10神経系に傷がついてボロボロになってしまい、完全に回復することが難しいと言う点です。

タバコのニコチンに依存性があるのも、この報酬系に作用するからだと言われています。
ニコチンによって増える伝達物質は、ドーパミン、βエンドルフィン、アセチルコリン、セロトニンなどです。
これだけ聞いたら、ニコチンいいじゃん!って感じですが、実はそうではありません。

人間はニコチンなんかなくても、目標を達成したら嬉しいし、頑張って褒められたらうれしいし、デートしてたら楽しいです。
そんな時ドーパミンは、自動的にバンバン出てハッピーになるのです。
ところが、ニコチン中毒になってしまうと、こういった楽しさや嬉しさが、ニコチンなしでは十分に得られにくくなってしまうのです。


要するに、ニコチンがあるから余分にハッピーになるんじゃなくて、
本来ニコチンなんかなくても感じられたはずの幸せが、ニコチンなしでは得られなくなると言うこと。
おまけにお金もかかるし、発がん物質をたくさん吸い込むんですから、何も良いことがないわけです。



実は脳の報酬系は、おいしいものを食べるということでも、作動してドーパミンが出ます。
それを繰り返していくうちに、食べ物を想像したり匂いを嗅いだだけでドーパミンが出たりして、食生活を楽しんで生きることが出来ます。
これだけであれば、全然問題ないのですが・・・・

最近おそろしい実験データを知ってしまいました。
砂糖や人工甘味料の甘さが、脳内報酬系やドーパミンなどの神経伝達物質に影響を与えて、依存症や中毒に導くことが分かったのです。
しかもその中毒性は、コカインよりも強かったのです。
http://www.plosone.org/article/info:doi/10.1371/journal.pone.0000698

人工甘味料によるダイエット飲料は増えていますが、テキサス大学の大規模調査では、毎日ダイエットソーダを飲んだ人は飲まなかった人に比べて、メタボの合併症のリスクが36%、糖尿病のリスクが67%上がると発表されました。
フランスでもダイエットソーダを飲んだ人の糖尿病のリスクが15%も高くなると言う研究が発表されています。

人工甘味料は甘みが強すぎるので、甘みに対する味覚が鈍化していくため、その他の甘いものを食べ過ぎてしまうことや、カロリーゼロの人工甘味料でもインスリンが分泌するといった研究もありました。
その上、報酬系に対してコカインより依存性があるとなると・・・・いやはや恐ろしいですね。

私の好きな本に上野圭一さんのナチュラルハイという本があります。
これは人間には薬物やアルコールや娯楽産業などに頼らなくても、元々快楽を得る力が備わってるよっていう愉快な本です。
ランナーズハイとかだけでなく、呼吸ハイとか、満月ハイとか、音楽ハイとか、知的快感ハイとか、自然分娩ハイなんてのも(笑)


もちろん日常からことさら離れなくても、私たちにはすでに、ナチュラルにワクワクドキドキ出来る、素敵な報酬系、A10神経が備わっています!!





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Last updated  2014年06月17日 00時59分28秒
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