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コールマンのや ら な い か

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コルマン@ RE: >くろねこさん さすが解ってるな! …

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2007.01.17
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カテゴリ:ネタ

(この話は多少グロテスクな表現とホラーな要素を含みます。苦手な人は大人しくRSをしておきましょう。)



僕らは今、高校時代の仲の良かった友達数人と、数年ぶりに集まった。
いわば、プチ同窓会、と言った所か。

いくら話しても話題は尽きる事は無かったが、僕はある提案をした。

「夏だし・・・1人1人、怖い話しをしあおうぜ」

皆も賛同した。
言いだしっぺと言う事で僕から話せ、と言われた。
特に怖い話などは得意なわけでは無く、どこかで聞いたことあるような話をした。

それから皆、順番に話して行き、ある奴に回った。

「皆、話がうまいなぁ。俺は少し趣向を変えた怖い話でもしようか」

「いいねぇ。始めてくれよ」

「じゃあ話そうか」

そう言って彼はグラスに半分程残っていたビールをグイッと飲み干し、話し始めた。

「俺は何故かは分からないけれども、そこで寝ていたんだ。
目が覚めて、真っ白な天井と蛍光灯が目に入った。
起き上がろうと右手を付いた時、何かの感触があった。

手紙だった。

その手紙には、こう書いてあった。

『ルールを守らなければお前等を殺す。』

俺は何かの冗談だろ、とその時は本気にはしなかった。

辺りをぐるりと見回すと、真っ白に塗られたコンクリートの壁に囲まれた部屋にぽつんとドアが1つ飾られていただけの部屋だった。
それを見た俺は、何故かは分からなかったが、なんとも言えない異様な雰囲気を感じた。
もう一度さっきの手紙を見ると変わらずに

『ルールを守らなければお前等を殺す。』

と書かれていたが、今度はさっきと違い、冗談とは思えなかった。

ふと『お前等』と書かれているのが目に留まり、誰か居るのかと辺りをもう一度見回したが、変わらずにドアがあるだけだった。

俺は殆ど無意識的にドアへ向かった。

ガチャっとドアを押して入った部屋は、さっき居た部屋と変わらず、真っ白に塗られたコンクリートの壁に蛍光灯が明るく輝いているだけの部屋だ。

さっきと決定的に違うのは、向かい側に黒い袋を被せられ、手錠をかけられ、さらにロープで縛られて動けなくされている女性が居た事と、入り口のドアから50cm程離れた所に、銃と手紙が置いてある事だった。

それを見た俺は、これまで感じたことの無い恐怖を覚えて、ガタガタと震えた。
同時にさっきの手紙の言葉を思い出した。

『お前等』というのは俺とあの女性の事だろうと思い、彼女を見た。

動いている。

俺が入ってきた事が分かったのだろう。
しかし、口をガムテームか何かで覆われているのか、声を出してはいるが何を言ってるのかが分からなかった。

もう一度、目の前の銃と手紙に目をやり、『ルールを守らなければ』の文字を思い出した。
この手紙を見なければルールを破ることになるのだろう、何も言われてはいないが、そう感じたんだ。
何故かはわからないけど、そう感じたんだ。

俺は手紙に近づいた。そして手紙を拾い上げ読んだ。

『選択しろ。

目の前の女性をその場から銃で一発撃つ。

自分を銃で撃ち、死ぬ。

前者を選択した場合、その後、2枚目の紙を見ろ。』


俺は目の前の女性を見た。
まだ何か言っている。

そして足元の銃を見た。
銃なんて警察官が持っている銃以外では始めてみたよ。

俺は銃を拾い上げた。
初めて持った銃はずっしりと重く感じた。

ふと思った。馬鹿げている。なぜ俺がこんな事をしなくちゃいけない?
けれどもルールを守らなければ俺と目の前の女性は死ぬ。

どちらかを選ばないといけない。
使命にも似たような感覚だった。
そう、どちらかを選ばなければ・・・

俺は死にたくない。俺には夢だってあるし、彼女だって居る。
まだ死にたくはない。

俺は右手の銃を目の前の女性に向けた。
右手がガタガタと震えて、狙いが定まらなかったが、人差し指に力を込めた。

パン!とはじけた音がした。
玉は相手の左肩にあたったようだ。
血が服にじわり滲んでいる。
相手が誰かわからない事が不思議と罪悪感を感じさせなかった。

右手の銃を放そうとしたが右手が凍りついたように固まって離れてくれなかった。

銃を持ったまま2枚目の手紙を拾い上げ呼んだ。

『女の頭の袋を取れ』

俺は無意識に目の前の女性に近づき、頭に被せられている黒い袋を取った。
それと同時に手紙が落ちたのが見えたが、その女性の顔が目に入ったので大して気にはならなかったよ。


その顔を見て俺は何が何だか分からなくなった。

さっきまで放そうとしても放れなかった銃が右手からするりと抜け落ち、ゴツッっと無機質な音をたててコンクリートの床に落ちた。


その女性は俺の恋人だった。

彼女は口をガムテープでぐるぐるに巻かれていた。
ポロポロと涙がガムテープの上を流れていた。

反射的に彼女のガムテープをはがそうと、両手を顔に近づけたがガムテープに

『はがすな』

と書いてあるのが目に入り、反射的に両手をだらりと下ろした。
視線を落とすと、さっき落ちた手紙が目に入ったので読んだ。

『選択しろ。

目の前の女性を殺す。

自分が死ぬ。

生き残ったほうが開放される。』

俺は、もうすでに書いてあることに驚かなかった。
彼女をもう一度見て昔を思い出した。

死んでも一生守る。

こんな事を言っていたのを思い出した。

こんな事を言ってるのだから、迷う事無く彼女を生かすべきだろうね。
でも俺だって死にたくない。

頭の中で、何度も『死ぬのは嫌だ。でも彼女を殺すなんて・・・』を繰り返した。
そんな事を考えて居ると、1時間以上たった様な、1分しかたってない様な、不思議な感じがした。

俺は視線を落として銃を睨み、拾った。
そしてふらりと銃を構えた。

彼女は口のガムテープが破けそうなほど叫んでいる。


さよなら・・・大好きな人・・・


俺はそう言って人差し指に力を込めた。


これでおしまい」


彼が話し終わった後、5秒ほどシーンとしたが、皆は

「はぁ~、お前すごいな」

などと言って感想をみんな言い合っていた。


ふと僕は気になって

「で、結局どっちが死んだの?」

と聞いた。


すると彼は、口の両端を上げて、ニヤリと不気味な笑みを浮かべてこう言った






「俺がこうやって生きてることが、答えかな」






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Last updated  2007.01.18 16:44:55
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