ゆるゆるな生き方と旅と家飲み 元セミナー講師で、白いタイヤキ屋だった中古車買取店店員のブログ

別に好きではないが。




ミンチカツと言えば思い出す。



“Ａランチ”　３００円


大学時代の学食。





Ａランチは、日替わりだ。

一つの皿に、きざんだキャベツ、ハム半分、ゆでただけで味付けしていないスパゲッティ、そして巨大なアーモンド形に型押しされたライスとともに、おかずが乗っている。


おかずは毎日、ミンチカツ。

それは４年間、毎日１日たりとも変わらなかった・・・はずだ。

（試験のとき以外あまり学校に行っていないので、詳しくはわからない）


そしてもう１品だけ、何かついてる。

毎日変わる、黒板に書かれたメニューは

『ミンチカツとカツ』

『ミンチカツと串カツ』

『ミンチカツとコロッケ』

『ミンチカツとハム（パン粉をつけて、ハムカツのようにあげてある）』

『ミンチカツとポテトサラダ（パン粉をつけて、あげてある）』

そして、『ミンチカツと、タルタルソース（←これはおかずか？）』



学食に、調味料はウスターソースしかない。




だからすべてのおかずがあげてるのかもしれない。


厨房内には、とんかつソースもある。

食券と引き換えに、おばちゃんが皿を差し出すときに、その特別な調味料であるとんかつソースを勢い良くかけてくれる。


ご飯にかかるぐらい。




付け合わせの乾燥したキャベツと味のないスパゲッティ（←“焼きそば”と麺を共通）を食べるために、唯一の調味料であるウスターソースをかける。


粘度の低いウスターソースは皿の底に集まり、型押しされたご飯は、型押しされたことによって出来た、米粒と米粒の間の空間の毛官現象によってウスターソースを吸い上げてゆく。



だから、“Ａランチ”のご飯は、しみ込んだウスターソースと、上からのとんかつソースの影響でいつも酸っぱい。



４００円だして、“カツランチ”にすれば、ライスはセパレートになるのでソースはかからないが、ただし何にもかけないと食べれないほど米がマズイ。


ちなみにこの“カツランチ”、初めて食ったたいていのヤツは驚く。


『何やこのカツ、肉ちゃうやんけ、ブタやんけ』

という叫び声が、毎年４月頃のキャンパスにこだまする。

※１、大阪では肉と言えば牛のこと、豚肉はブタという。
　⇒豚まん、肉まんなど。

※２、今でこそカツと言えばトンカツがポピュラーだが、やはり関西ではカツと言えばビーフカツだった。




しかもこのトンカツは、歯が折れるほど硬い。

いや、歯が折れなくても、食べると必ず衣で口の中を切る。



だから毎日、Ａランチ。



酸っぱいごはん。




質の低い安物の肉を使った、クサい匂いのミンチカツ。

古い煮詰まった油であげたミンチカツ。

そしてその油を目いっぱい吸い込んだ、ミンチカツ。



皿の底にまで浸み出た油。


その油で、お皿が光る。



そして、その“油の海”にウスターソースが、玉状になって浮いている。



マズイまずいミンチカツ。



食べると必ず胸焼けする、ミンチカツ。




私の胃潰瘍の原因は、毎日これを食べ続けたことが原因なのかもしれない。



学生時代の、思い出のいっぱい詰まったミンチカツ。




日本選手権に出場したことも、初めてのデートの思い出もミンチカツとともに。



青春の、甘く切ないミンチカツ







大っきらいだ





ソースのかかった酸っぱいごはんを食べると思いだす学生時代。


飲食店のメニューで見かけると、そんな大っきらいなミンチカツが、無性に食べたくなる。




それでこの前、ソバ食べたいのにミンチカツ食べてしまったんやな。





それで。





待ちに待ったミンチカツ。




ひとくち食べて・・・・『オッ、結構ウマいやん』








あかんあかん、何でうまいねん。



あかんやないか、マズくないと。


ミンチカツやねんから。

俺はこんなミンチカツ、食いたないねん

俺が食いたいのは、マズいミンチカツや。





もっと油まわって、ヌルヌルしてないと。


見た目ももっと、汚い色してんとアカンねん。




それで食べたら胸焼けして。









その後で胸の奥から、あの“クサ～い匂いのするゲップ”が出るやつ。






そのゲップのにおいが、ミンチカツなんや