おはなし130
「6次元、ってあなた、わけわかんないこと言わないでよ」「わかってるわけではないですけど、なんとなくでしたら説明できないわけでもありません」「じゃあ、6次元って何?」たとえば、3次元空間のなかで運動している点Pと点Qのある瞬間における位置をP(a,b,c) Q(d,e,f) とします。2個の点が3次元空間を動いているわけですが、計算の都合上、(どんな計算をする上でのどんな都合なのかはわかりませんけど…)「1個の点が6次元空間を動いている」と見なしたほうが便利なことがある…らしいのです。点R(a,b,c,d,e,f)が6次元空間のなかで動いている、と考えてみる。(点Rは、仮に「点」とみなしているだけで、じっさいの点ではありません)(6次元空間は、仮に「空間」と見なしているだけで、じっさいの空間ではありません)すなわち、点P(a,b,c) と 点Q(d,e,f) が3次元空間を動いていると考えるかわりに「点」R(a,b,c,d,e,f) が6次元「空間」のなかを動いていると考えるのです。「どうです?なんか、すごいと思いません?」「うーむ…」「なんとなく6次元の気配が伝わるかと…」「…まあいい。それで、どこにいるの?」