■「もし夫が優しい言葉を添えて、それを渡してくれたら、 きっと嬉しい顔をする事ができたろうにと思った」
夏目漱石の「道草」を読んだことのある人は多いだろう。主人公の建三は30代の大学教授で、妻のお住(すみ)は高級官僚の娘という設定である。妻が家計のやりくりで苦労しているので、夫は少しでも負担を軽くしてあげたいと、アルバイトをする。ところが、そうして得たお金を妻に渡しても、妻は別に嬉しそうな顔をするわけではない。「もし夫が優しい言葉を添えて、それを渡してくれたら、 きっと嬉しい顔をする事ができたろうにと思った」漱石は妻の気持ちをこのように書いている。一方、そのときの夫の気持ちはというと、「もし細君が嬉しそうにそれを受け取ってくれたら 優しい言葉もかけられたろうにと考えた」と書いている。お互いに相手の優しさを期待しながら、自らその優しさを表に出さなかった。 出典元 「動けば叶う」 著者名 多湖 輝 「道草」は、明治時代に書かれたものだけれど、昔も今も、全然変わっていないものだなぁと思う。どっちが、先に優しさを示すか、どっちが、先に気持ちを言うか、どっちが、先に謝るか、どっちが、先に折れるか、などなど、人間関係では、絶えず、こんな心理駆け引きが行われがちだと思う。つねに、相手が先…と思うのである。相手からのアクションを期待するのである。そうしたら、自分もこうしよう…そうしてくれたら、自分も優しさを出そう…などと、お互いに思い合っているのだ。その結果は…自分の思ったようなものでなく、落胆や怒りやさびしさを持ったまま、本当の自分のよさも出せず、終わってしまうことが多いのではないか。なんだかな…ちょっとため息がでるなぁ… ■「ぼちぼち日記」↓「スーパー「イナゲヤ」のお総菜勝手比較」 近所にある2軒の「イナゲヤ」…店の作りも、売り方も違う片方はとてもキレイで合理化されているし、片方は全くの手作り。総菜の味はどうだろうな。買ってきて、勝手に比較してみたら…■今日のおすすめ本 ↓「愛する二人別れる二人」ジョン・M. ゴットマン , ナン シルバー著この本は、アメリカの結婚心理学者が「16年間、千数十余組の夫婦を面接し、そのうち650組の 夫婦を14年間追跡調査した研究結果から、日常生活でちょっと した配慮があれば、2人の関係を改良・改善、強化できる、 極めて実際的な「7つの原則」を導き出しました。」ということで、データと分析による、どんな人達が別れ、どんな人達が幸せな夫婦でいられるか、そしてそのコツは…などが書いてある本です。著者は、二人を5分間観察するだけど、ほぼ91%の正確さで、これから幸せな結婚生活をおくるか、離婚するかを予測できると言います。そして「結婚生活を成功させるのは、驚くほど簡単なこと」だと言い切っています。そんなコツをたくさん教えてくれます。少し、日本と事情が違うところもありますが、とても参考になる本です。■アファメーション毎日変わります!自分にぴったりのアファメーションを見つけてみませんか?現在700個のアファメーション登録しています。「http://www.kotobasagashi.net/」■「ことば探し」メールマガジン(月~金)発行しています。 「今日のことば」以外の過去のことばも紹介しています。 →購読申込み■「ことば探し」HP→ http://www.kotobasagashi.net/ 見に来てくださいね。