KOTOKOのゆったりんまったりん

「ない！自転車の鍵が無い！」次男の部屋から大声が聞こえてきた。

次男の友達が遊びに来ていたのだが、帰る時になって鍵が無いと大騒ぎしているのだ。

「一緒に探そうか？」と声を掛けると、思春期真っ盛りの次男のこと。

友達の前に母親なんて来て欲しくないのか、
「お母さんはいいから！」と断られた。

散々、二人で手分けして30分くらい探していたが、結局見つからなかったらしく、
その友達は自転車を置いて帰ることにしたようだった。

可哀想に思い、「やっぱり、お母さんも探してあげるよ。」と言いながら、部屋に入って行き、椅子の上の制服をめくるとそこに鍵発見！

その間、わずか3秒。

「これ？」まさか、そんなにすぐ見つかると思っていなかったので、見つけた私もびっくりしたが、それ以上に次男もその友達も目をまん丸に見開いてびっくりしている。

一瞬の間ののち、でっかい声でその友達が
「すげ～！あんなに探してなかったのに。お前んちの母さん、すげ～な～！さすがじゃわ！」とヒーローでも見るかのように素直に感動してくれるのであった。

たまたま手近な服をめくっただけ、でもって、たまたま偶然見つけただけで、見つけた私が一番びっくりしていたんだけど、
こんな風に感心されると調子に乗っちゃうんですよね～。

偶然とは言え自分のお手柄に満更でもなく、どうだ、と言わんばかりに腕組みしながら、

「まあね～。何処に置いたかを相手の気持ちになって推理すれば簡単にわかるものよ。」
とさも自分の実力と言わんばかりに少年相手にヒーロー気分に浸ったのでした。