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私はこの職場に就職したらすぐに
改名をしようと思っていた。 だが、いざ就職すると、 改名する事で二度と両親に会えなくなるのではないか、 「家族」に二度と顔向け出来なくなるのではないか、 そんな恐怖と不安から踏み出せずに1年が過ぎた。 だけど、やっと決心がついた。 先日、両親と会う数日前に・・・。 この「命」は永遠に続くものではない。 「家族」もいつかは死ぬ。 そのどうしようもない事実を思った時、 私はこれでいいのか、と思った。 いつかは尽きてしまう「いのち」なら、 自分に正直に生きたい。 そう切に思った。 そして、決心がついた。 改名をしよう、と。 そして、今日。 私は生まれて初めて家庭裁判所に行った。 そして、裁判所の方に改名の手続きを教えて頂いた。 その裁判所の方は、はじめ、 私が体も心も「女性」だと思ってくれたようで、 私の男性名を見て、「ご本人さんはいらっしゃってないんですか?』 と聞いてきたので、私はGIDの事を話した。 職員の方は、「あ、失礼しました。」と言い、話を始めた。 だが裁判所といっても、大した事ないなぁ、と思った。 職員より、私の方が裁判の知識が多いのだ。 最初、職員の方は簡単に「性別の訂正をするんですね?」 と言い、手続きの話をしはじめた。 私はまだSRSをしていない。 今のままで、そんな簡単に性別訂正が出来る程、 社会は進んだのか?、と驚いた。 私は性別訂正ははじめから無理だと思ったから、 せめて改名だけでも、と思い裁判所に来たからだ。 しかし職員は躊躇する様子もなく、今にも変えられるように話をする。 ”この夢が醒めないで欲しい” そう切に願った。 でも、私は切り出した。 「性別適合手術をしなくては、性別訂正が出来ないんじゃありませんか?』 すると、キョトンとした顔をして、少し待つように言われ、 資料を探しはじめた。 それでやっと戻ってきた職員は、私に 「やはり性別適合手術をしていないと無理みたいですね」 と言った。 私のかすかな「希望」は断たれた。 やはり「夢」は醒めた。 だが、それはこれから私が変えてゆけばいい。 職員の言うには、改名の手続きには、 「名の変更許可申立書」と「戸籍謄本」 「収入印紙800円分」「切手1040円1組」 「80円切手3枚」「10円切手1枚」が必要だという。 私は職員から「名の変更許可申立書」を貰い、その場を後にした。 郵便局で収入印紙と切手も揃えた。 そして、市役所に「戸籍謄本」を貰いに行ったのだが、 私の本籍は、この市ではない。 本籍でないと、「戸籍謄本」を貰えないと言われた。 仕方なく、本籍から郵送してもらうことにした。 だが、私は一歩踏み出せた。 私は歩いて行こう。 これからも、この先も。 自分に負けないように。 社会に負けないように。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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