Kou's Wonderland

　先日、会社から帰宅後珍しくＮＨＫのドキュメンタリ番組を見ていた。

　もうすぐ震災から１年ということで、被災地の「いま」を伝える番組。

　その中で、気仙沼の小さな商店街が復興のため商店街の復元を
　めざしている姿を追っていた。

　今まで営んでいた場所ではダメなので、他の場所をあたろうとすると、
　役所から、被災した土地の整備が済んでいない、所有者がわからない、
　とにかく、新規に建物を建てるのはダメだと突き放され、

　それでは仮設商店街を興そうと、被災してほぼ更地になってしまった
　銀行跡地を借りることで話がまとまり、役所にＯＫをもらい、瓦礫の撤去、
　土地の整備が済んだ頃に、役所から「この土地は銀行しか建てられない
　土地だからやはりダメ」と言われ、

　そしてまた他に土地を移し、一から土地の整備を始めていると、
　建蔽率が５０％でなければダメだ、と。
　土地が均（なら）されていないから、法律上だめだと。

　それでも商店街の店舗の規模を小さくし、みんなでまたお金を出し合って
　震災でがたがただった土地を均し、ようやく仮設商店街の建物が
　できると、今度は保健所が来て、衛生状態をチェックしてＮＧを出す。

　こんなに凄惨な被災地にあって、それを復興させようと頑張る人たちに
　いわゆる　「お役所仕事」　がいちいち水を差す。

　見ているこちらも（ご飯を食べながらだったんだけど）ハラワタが煮えくり
　かえる気持ちで観ていた。

　ＮＨＫはそれを批判するでもなく、たんたんと起きている事柄を映し出す。

　そして、昨年のクリスマスイブ。
　無事に仮設商店街がオープン。
　ショッピングモールとかではなく、昔からの床屋とか漬物屋とか
　ほんの１０店舗くらいの小さな仮設商店街。
　それでもオープン初日は２０００人くらいの来客だという。

　お客さんもみんななじみの人ばかりで、「よがったよがった」って
　肩をたたきあう。

　「お役所に文句ばかり言われて血圧が上がっちまう」と嘆いていた
　親父さんも笑顔でお店に立っていた。

　よくわからないけど、メシ食べながら、涙が止まらなかった。

　融通の利かない役所にも腹が立つんだけど、それに面と向かって
　文句を言うでもなく、店主たちが集まって
　「仕方ねえから他の方法考えよう」って。
　「やらなくっちゃ、なんにもはじまんねーから」って。

　「がんばんべ」って。

　たぶん、いろいろ自分の今の状況と比べちゃったのかな。
　とにかく。。。よくわからないけど、涙が止まらなかった。

　ん、と。
　それだけ。
　日記でした。