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出会いと別れの幸福論

出会いと別れの幸福論

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よしたろ1216

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2006年09月12日
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テーマ:たわごと(26785)


「姉ちゃん、明日彼女の家に行くんだ…」

「あんた、パンツは新品穿いて行きな」ってアドバイス。

ようやく最近、そこは重要じゃないだろと気付いた、

よしたろ(25歳 今さら)です。



この前ね、6時のニュースでみたもんね。

男のおっさんが女の下着を付ける話。



えー!ってなるよね。ウソー!ってなっちゃうよね。

これ、マジだから。この目(裸眼0.02)で確認したから!

しかもね、一人や二人じゃないわけ。

何ならサークル作って、

下着の品評会とか開いちゃってる勢い。

「あーっ田中さん、そのブラジャー素敵ですねー」

「うふっ、前田さんこそ花柄似合ってますよー」

とか、賞賛し合っちゃってる勢い。



あ、念のため言っとくとね、

ニューハーフとか新宿2丁目とか、そういう話じゃないよ?

普通に家庭を持ったおっさん達の話だからね。

何なら一流企業の社員とかだからね。



もうね、『えー?!』通り越して、『え゛ー?!』ですよ。

何があなたをそこまで駆り立てるのか!と。

守るべきものは胸じゃなくて家庭じゃないのか!と。

(あ、これ結構上手いコト言いました)



でね、よしたろは色々と考えてみたわけ。

世の中の森羅万象っつーか、

まぁ要は下着についてなんだけれども、

何故そんなことが平和な日本で起こりうるのかと。



まー、白熱した議論が繰り広げられましたよ。(脳内で)

やれ小泉の次は安倍で決まりだ、とか。

やれ年金改革はどうするのか、とか。

真面目な議論が続く中、発せられた一言。



「男のブラジャーについてどうお考えですか…?」


「異議ありっ!!!」と。

もうね、よしたろと言う名の議会はパニックですよ。

郵政造反組みどころの騒ぎじゃないですよ。

ま、議会で「異議あり」なんて言葉は無いですけど。



「き、き、君は何を言ってるんだね!この神聖な場で!」

「大事なことなんです」

「何が大事なことだ!男がそんな事する訳ないじゃないか!」

「いえ、事実としてそういう趣味があるんです」

「馬鹿なっ!ブ、ブラジャーなんてものは女性のだね…」

「分かっています。しかし、そういう男もいるのです!」

「認めん!そんな証拠の無い話が信じられるものか!」

「証拠ならあります。ほら、ここに!」

「な、永田君っっ!?君はいつからそんな…」

「私だけじゃありません。他にも」

「議長、私もです」

「すみません、私もです」

「私も…」

「実は、私も」

「私もです」



みたいな議論が繰り広げられてね、

どうやらあるらしいことが分かってきました。

下着の品評会。



だってね、そこまで言うなら仕方がないわけ。

「俺、UFO信じねぇから」とか勇ましく言ったところで、

「あ、どうも。ワタシ宇宙から来ました」

なんつってグレイ(宇宙人)が現れたら、

それはもう信じるより他に道は残されてないわけでしょ?

グレイを目の当たりにして、

「おめぇ…ずいぶん顔色悪いなー」なんて言えないでしょ?

まぁね、要は知らない世界がそこにあったわけ。



でもね、そのお父さん方、結構、肩身狭いと思うんだよねー。

やっぱ社会的地位を持ってる人とかは、特にそう。

だってバレたら偉いことになるよ?窓際族は必至だよ?



もうね、家に帰ってもおちおち休んでられないわけ。

どこに隠すんだっつーの。エロ本より性質が悪いっつーの。

家族もね、おやじのタンスからブラが出てきたら、

そりゃ絶句ですよ。

キャバクラの名刺が出てきた方がよっぽど健全ですよ。

何つーの、スリル?

ある意味それを楽しんでるのかと思ってました。



そしたらね、そのテレビ番組、

いつの間にかドキュメンタリーっぽくなってて、

主人公のおっさんがね、

あろうことかスタッフにこう切り出すわけ。


「息子にもこの姿を見てもらいたい」と。



もうね、耳を疑いました。

馬鹿な!と。

このあらでもない姿を息子に?と。



何つーか取り敢えずね、常識的な感覚で言うと、

もうテレビとか出ちゃった時点でね、

オロオロしなきゃおかしいわけ。

「あぁ、これで会社や家族にばれたらどうすれば…」

とか思うのは、

もはやブラ付けた男たちの義務だと思うわけ。



それをね、息子に見せたいだなんて、

もうどんだけアグレッシブなのかと。

日本のFW陣にもこれくらいのアグレッシブさが

欲しいところなんだけれども、

取り敢えず、息子だけには見られたくないと思うのが、

親の勤めでしょうがっ!



それでね、よしたろは息子の気持ちを考えてみたわけ。

親父のあらでもない姿を見せられた息子の気持ちを。

取り敢えずね、ぐうの音も出ませんでした。



だって想像してみてよ?

自分の親父が女の下着付けてるとこ。

いやーもうね、いろんな意味で気の毒。



したらね、いよいよ対面の時が訪れたわけ。

父親が息子をどっかのホテルに呼び出したんだけど、

最初はね、「最近どうだ?」とか、

父親っぽいトークをしてたわけ。

何つーの?タイミング計ってる感じ?

『あいのり』で告白する前によくあるシーン。



でね、いよいよ本題を切り出すわけ。

「父さん、実はな…」

「何?」

「お前に言っておきたいことがあるんだ」

「え、だから何なの??」

「うん実はな、父さん、下着を付けてるんだ」

「…別に普通じゃない?」

「いや、普通じゃないんだ」

「???」

「女物の下着なんだ…」

「えっ(汗)??!」

「驚いた?」

「え、そりゃ驚くよ…」

「どう思う??」

「どう思うって言われても…」

「正直な気持ちを聞かせてくれ」

「まぁ父さんの好きなようにすればいいと思うよ」

「そうか、ありがとう」



みたいな!もうね、在り得ない会話が展開されてるわけ。

でね、この会話も当然在り得ないんだけれども、

それ以上にどうかと思ったのが、番組の演出。

何つーか、この会話の途中からね、

ちょっとした音楽が流れてくるわけですよ。

ドキュメンタリーも佳境に差し掛かり、

いわば感動のシーンなわけですよ。

性癖を告白する父親とそれを受け入れる息子―――。

分かり合えた二人を祝福するかのような柔らかなメロディ。






…もうね、泣けるかっつーの。



そしたら最後におやじがコメントが。


――息子さんに告白した感想は?

「いや、本当に胸がスッキリしました」



――下着は見せたんですか?

「ええ。今日は晴れの舞台だったので、一番のお気に入りを」

とか言って、満面の笑みを浮かべている父親の脇で、

引きつり笑をしている息子を、

僕は見逃しませんでした。


子の心親知らず→http://blog.with2.net/link.php?208452







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Last updated  2006年09月12日 01時49分34秒
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