カテゴリ:第三章 188 ~ 240 話
そこへゆうすけが走り込んで来た。 ゆうすけ 「利江ちゃーーん。」 その声で扉に振り向く利江。 利江 「ゆうすけ君。」 『はぁ、はぁ、はぁ・・・・』 ゆうすけ 「利江ちゃん、早く身を隠すんだ! ザウバー、ザウバーだけにはまだ見つかってはダメなんだ。」 利江 「こんな建屋の中にまで進入してきたの?」 ゆうすけ 「まだだ。 なんとか広場で食い止めるさ。 まさかザウバーがこんなタイミングで仕返しに来るとは予想外・・・。 しかもこういちが留守の時に・・・・。 それより早く非難してっ!」 利江 「わ、分ったわ。」 ゆうすけ 「おれは広場で食い止める準備に行く。 あっ、クンナは頼んだことがあるからここには居ないよ。 なに心配はいらないさ、格闘しに行った訳ではないから。」 利江 「そ、そうだったの。 おっけー、じゃ。」 利江とゆうすけは扉を飛び出し、それぞれの方向に駆け出した。 タロも利江の後を追ったのだった。 ~ ~ ~ 第二門前の広場では、各房長をはじめ、師範、チュウラン、スンチャ、チーラン、スウラン 達が、複数のスペック-1相手にほぼ対等に渡り合っていた。 『ハーー、ハイヤー! ハィ、タァーーーっ!』 ササ、 ズガっ バシ、ズコーーンっ! 『ハイっ! ハーーっ! ハイハイっ ハイ、ハイ、ハイハイ、ハイーーっ!』 ズバっ バシっ ズカズカ ガシ ドス、 バシバシバシ ズコーン! だが、数でモノを言わす戦闘員、倒しても倒してもまだまだ後ろに控えている状態に、 大少林寺の猛者達も、さすがに疲労の色を隠せないでいた。 チーラン 「はぁ、はぁ、はぁ、 くそ、一対一ではないから・・・・」 スウラン 「はぁ、はぁ、二人、三人、同時相手・・・・キツイ・・・」 戦況を見ると、大少林寺は約30人とちょっと、房長達もしっかりと相手は出来ているようだ が、負傷している房長も少なくなかった。 スウラン 「まともに戦えているのは師範とチュウラン、そしてスンチャだけか・・・・」 負傷者をかばうように戦っているためか、数で7倍以上勝る戦闘員たちを前に、 少しずつ後退を強いられていた。 月光K 「こ、こいつら・・・あの施設の連中だ・・・・なぜ大少林寺に・・・・」 大竹林寺の月光軍も巻き添えになっていたが、今までの大少林寺を威嚇程度の戦いぶりとは 異なり、本来の月光軍のスピードを発揮して目前に迫った戦闘員に善戦する戦いぶりを 発揮していた。 ターっ! クルっ おりゃ! スルっ だが、闇夜に紛れた行動が得意分野だけに、スピードだけでは戦闘員も負けてはいなかった。 大少林寺の武僧同様に月光軍にも負傷する者、倒される者が続出していた。 その時、 [月軍長]曹 富夜(そう フウヤ) 「月光軍、退却せよっ!」 第一門から伸びる高くそびえる塀の上を、ずらーーーっと黒く染める大竹林寺の月光軍が 立ち並んでいた。 その中央で叫んだ[月軍長]曹 富夜(そう フウヤ)。 [月軍長]曹 富夜(そう フウヤ) 「K班以外の者は、退却を援護しろっ!」 右手拳を上げて指揮する[月軍長]曹 富夜(そう フウヤ)。 その指示を受け、一斉に塀から飛び降りて広場になだれ込む月光軍達。 ザウバー 「なんだ? こいつら・・・・。 突然現れて『退却』だと・・・? 訳のわからんことを。 そうはさせるかよっ!」 扉の壊れた第一門の前に仁王立ちしていたザウバー、塀から雪崩込んできた月光軍を見て 瞬時に移動し蹴散らし始めたっ! ザウバー 「おらおらっ! てめーらの好きにさせるかよっ!」 ズガっ ドカドカドスっ バシバシスバっ ズコンズコンズコーーンっ! [月軍長]曹 富夜(そう フウヤ) 「な、なんだこいつ・・・化け物か !! 」 その月光軍のスピードをものともせず、次々になぎ倒すザウバーを見て圧倒される[月軍長] 曹 富夜(そう フウヤ)。 [月軍長]曹 富夜(そう フウヤ) 「このままじゃ、連れてきた[月軍]が全滅しかねない・・・・・。」 退却を助けるどころか援軍自らピンチに立たされ、混乱する月光軍。 彡スタン。 [月軍長]曹 富夜(そう フウヤ) 「おい、そこのデカいの。」 楽しそうに月光軍を蹴散らすザウバーの後方に立った[月軍長]曹 富夜(そう フウヤ)。 彡ズコーーンっ! ザウバー 「ん? 呼んだか?」 横に居た月光軍兵を、塀を越えていくほどの蹴りをお見舞いし、振り向くザウバー。 [月軍長]曹 富夜(そう フウヤ) 「おれとやってみないか。」 ザウバー 「おまえなら少しは楽しませてくれるってのか?」 [月軍長]曹 富夜(そう フウヤ) 「おれは[月軍長]曹 富夜(そう フウヤ)。第4進軍長でもある。」 ザウバー 「なに !? 月光軍だと? するとおまえは大竹林寺の連中か。 おもしろい。 自己紹介してやろう。 おれはザウバー、ファイナルウエポン社の者だ。ただの一企業じゃねぇぜ。 きさまら同様、世界をひとまとめにしてやろうと一案する集団だ。」 [月軍長]曹 富夜(そう フウヤ) 「なに!! 、おまえらも世界征服を目論んでいるだと !? 」 ザウバー 「そうだ、こいつらはわが社の人間兵器、つまり商品って訳だ。 世界征服の手法は異なれど、目的は同じ。それも敵対するな。 おれ達には邪魔な存在だってことよ。 行く手を阻む者はだれであれ容赦せん。 つまりきさまらは、そんなおれ達に宣戦布告をしてきたって訳だ。 テメーら大竹林寺を壊滅させてやるよ。覚えておくんだな。」 [月軍長]曹 富夜(そう フウヤ) 「そういうことか。 なら一度は手合わせをしておかないとな。 ザウバーとやら、その腕前、 見せてもらうぞっ!」 両腰の脇にある短刀を抜き、ザウバーに向かって走り出すっ! タッタッタッタッ 『いぞっ!』 ザウバー 「なに、試すまでもねぇ。 分った時にはおまえはあの世行きだぜっ!」 シュパっ シュシュシュ、 サっ シュシュシュシュ スパっ、スパっ シュシュシュシュ 曹 富夜(そう フウヤ)の素早い動きから繰り出される刀さばき! 次々とザウバーを襲う。 だがザウバーは横に後ろにと見事に交わす。そして水平打ちっ! ガシっ★ ザウバー 「ほう、中々スピードだけはあるじゃねぇか。」 『ぐほっ』 彡ドサ 一発の水平打ちを食らって飛ばされ、地面に転げる曹 富夜(そう フウヤ)。 [月軍長]曹 富夜(そう フウヤ) 「なんと、一太刀も入らんとは・・・・それになんという打撃力・・・・」 だが、ザウバーと曹 富夜(そう フウヤ)がやりあうそのスキに、突破口を見つけた月光軍、 次々と塀を飛び越えて退却していたのだった。 それを視界に捕らえた曹 富夜(そう フウヤ)、 [月軍長]曹 富夜(そう フウヤ) 「残念だが今日はこれまでだ。」 立ち上がると自らも素早く塀を飛び越えて姿を消したのであった。 それを見送るザウバー。 ザウバー 「まぁいい。 いつでも料理できるわ。 今日の目的はこっちだからな。」 塀を向いた姿勢から、顔を第二門に向けてキリっとにらむザウバー。 (どのみちお前さんとはやらなならんだろうとは思っていたよ) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月23日 11時27分31秒
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