カテゴリ:第四章 4-364 ~ 420 話
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黒服の男 「恐れいりやす・・・。」 二人を縛って奥に放り込むと、再び中央のテーブルに向かい合い、アタッシュケースを開いて 中を確認しあう白黒の二人。 そしてニンマリとすると、お互いのケースを交換した。 その時、 ???? 「あれっ? うちの二人見ませんでしたか・・・?」 倉庫の入り口に、スパっと割れた水色のチャイナ服で立ち、手をおでこに当てて、キョロキョロ と中を見回している女性が現れた。 リツコだ。 見張り役 「おい、また変なのが現れたなっ!」 リツコ 「変なのとは何よ! 大人がテーブル囲んでニタニタしている方が、よっぽど変でしょうに。」 白スーツの男 「何だと?」 つかつかと中に入っていくリツコ。 少女B 「アッ、お姉サマ~!」 リツコ 「あらやだ、あんた達、そんな趣味があったの~?」 少女A 「趣味 チガウ!」 少女B 「タマニはイイカモ。。。」 少女A 「コラっ、クセにナルナっ!」 黒服の男 「おいっ、その二人を黙らせろっ!」 シャリン チャリン シャリン 中央に集まる男達の後ろから、中華皇国の武闘家が身に付ける服装の男達15~16人が、突然 現れ、6人が片刃の剣を腰から抜いて囲むように少女二人の顔の前に突き出した。 残りの10人近くが中央のテーブルよりも前に出て、白スーツの男や黒服の男と、リツコとの間 に割って入った。 少女A 「ヤッパ ココ 仮装フェスタ会場ネ♪」 少女B 「デモ、ナンカトッテモ リアルアルネ・・・」 少女A 「確カニ・・・本物っポイヨ・・・」 黒服の男 「ふん、中華皇国おたくってわけか。 期待を裏切ることになって残念だが、そいつは 本物 だよ。」 少女A 「ホ、本物~っ!」 リツコ 「あらあら、ここは仮装大会の選手控え所だったの? じゃ、本会場はどこなのかしら・・・」 三流役者でもしないネクタイ男 「仮装大会とかじゃねぇよ、 おぃ、本物の剣だぞ・・・?」 リツコ 「本物かぁ。。。 ふぅ~ん。。。 なら、切れ味もそれ相応にってことよね~♪ チーラン、スウラン、、、、 だそうよ♪」 チーラン (少女A改め) 「それはいい~☆」 スウラン (少女B改め) 「ハイ、アル~♪」 ガシっ 彡トン ズゴっ★ うぐっ! 体育座りの姿勢から、目の前に突き出された片刃の剣を、両足で挟んで奪い取り、一端その剣を 空中に蹴り上げるっ! 続いて手前の武闘家の股間を下から蹴り上げたチーラン、 同時にスウランも突然身体を捻って立ち上がり、横から突き出された剣を利用して後ろ手で縛ら れたロープを断ち切り、そのまま強烈な回し蹴りで一蹴っ! ブチっ シュっ ぐわっ! そのままチーランが蹴り上げて落下してくる剣を掴み(カシャ)、 チーラン目掛けて素早く一太刀っ! (シュッ) チーランの両手が解き放たれ、水を得た魚のように、クルクルと回転しながら手套、肘打ち、そ して綺麗な回し蹴りで3人の武闘家をあっと言う間に床に沈めてしまったっ! ズガっ ボコっ ガスンっ ぬっ ぐほっ うぅっ 一方のスウランは、殺してしまわないように、取り上げた剣の刃先を腕の下に収め、柄の先で 一撃! 続いて横から剣を振り上げた男を、自分の顔の前を通過する内回し蹴りで相手の顔面を痛打し たっ! ドスっ ズゴっ うぐっ ぐぇっ 二人は、大きく片足を横に腰は低く、片手は剣を持ち、もう一方の手は斜め上や肘を曲げてと、 綺麗な大少林拳の構えを取って、大人達を見据えたのであった。 チーラン 「うん、切れ味は本物だ。」 ドサ、 ドサ、ドサ ドサ、ドサ、 ドサ 瞬きをする間に、6人の武闘家達をなぎ倒した二人、それをただボー然と見つめる男達。 だが、間に割って入った武闘家10人余りは、リツコを直視したまま。 黒服の男 「な、なんとしたことだっ!」 リツコ 「うちの娘達、たいした "おたく" でしょ♪」 三流役者でもしないネクタイ男 「う、、うそだ・・・、彼らをあっと言う間に・・・」 リツコ 「覚えておくことね、上には上がいるってことを。」 頭には串を刺したこぶ二つ。 こぶからは余った髪の毛が下に垂れている。 生脚を和恵のようにズバっと割れたチャイナのスリットから出し、左手は右手の肘を支え、右手 は立てて手の平はアゴを支えて、美しい指先は頬に添えられた姿勢で、落ち着いた笑顔で話すリ ツコ。 そのリツコの間に割って入っていた武闘家の一人が、一歩前に出てきた。 そして、 武闘家リーダー 「 "おたく" どころではない。 本物の 大少林拳 だ。 拳法をたしなむ程度のやつらでは、倒されて当然・・・。 こんな使い手が、この大日本国にいるとはな・・・・驚いたぜ・・・」 リツコ 「あら、見る目ある人がいたのね。 でも、スカウトしちゃダメよ♪」 武闘家リーダー 「ふん、とぼけても無駄さ。 大将、こいつらはこのブツを横取りに来た連中ですよ。 それもかなりの使い手のね・・・」 黒服の男 「なんだとっ! よ、横取りのカ、カマシか・・・・。」 ( おどおどとしながら ) 武闘家リーダー 「どのくらいの使い手か見定めてやりますよ。 そこそこかじってても、こいつら相手なら すぐにボロ出すことでしょ。」 ~ 外で待機していた和恵。 和恵姉さん 「あ~じれったい。 こんなの私一人だけで十分なのに。」 北見刑事 「でも、和恵さんが彼女らにと・・・。」 和恵姉さん 「まぁね、相手を殺さない捕り物に慣れてもらわなきゃって。 でも待つのは性に合わないって感じ・・・。」 ~ アゴで指示を出すリーダー。 すると、3人が一歩、二歩と前に歩み出す。 リツコ 「ねぇ、私は無手なんだけどな・・・。」 前に出てきた3人も無手であったにも関わらず、そんな独り言のように小声でつぶやいたリ ツコ。 手をアゴに乗せたまま、困ったようにおどけて唇を尖らせ、僅かに首を捻って見せ たのだった。 そして前の3人が身構えた。 武闘家リーダー 「油断するなよ。 ・・・やれ。」 -つづく- (だからもったいないと言うたのだ) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月07日 13時30分25秒
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