カテゴリ:第四章 4-364 ~ 420 話
武闘家リーダー 「油断するなよ。 ・・・やれ。」 鋭い目付きのリーダーのその言葉と同時に、一人が力強い六合拳の拳套、そして腕がすっと伸 びる動きをみせる二人目、それは[通背拳]と呼ばれる獣が獲物を捕る時に見せるあの動作を 取り入れたもの。 そして最後の一人は、まるでカマキリが見せるあの動き、そう、迅速で力強い[硬螳螂拳] だっ! [豪の動]、[獣の動]、[迅の動]のそれぞれの3人。 リツコ ( [六合拳]、[通背拳]、[螳螂拳]か・・・ ) 目線だけでその三人の動きを追うリツコ。 その3人のうちの一人が、リツコ目掛けて襲い掛かったっ! すっとあごから手を下ろしたリツコに向かって、まず第一の攻撃は[六合拳]の使い手だっ! 『ハイっ ハイっ ハイハイハイ、 トォー!』 足をすっと横に出し続いて裏拳のような動きで背を向いた拳がリツコを襲うっ! ガシッ★ 続いてくるっと回りながらの逆手の肘打っ! ズカっ★ そして手の平の打撃を3発放ち、 バシ★バシ★バシっ★ 最後はリツコの胸に足を当て、前蹴りのように足を伸ばして自分はばく転して地に足を付けた。 スタ彡 その一連の攻撃をなんとリツコは、交わすことも受身も取らずに、そのまま食らい続けていた。 スウラン ( あの六合拳の主、しっかりと年期の入った使い手・・・ ) チーラン ( 凄い、でもリツコ、ものともせずに受け切って見せた・・・受け太刀せずに・・・ ) リツコをよく知る二人ですら驚く光景。 当然、足が鈍ったのは襲い掛かった3人の方だ。 リツコが涼しい顔付きで、自分の服のほこりを 彡ポン、彡ポン と叩いてみせた時、 [六合拳]使いの男 「な、なんだとっ!」 武闘家リーダー ( なんだこいつは・・・・避けるでも交わすでもなく・・・それも受けきっただと・・・? 避けられなかった・・・? 女でありながら、力自慢の素人でもなかろうに・・・ ) 薄目で考えながらも 『続けろ』 と次を待つ男にもあごで合図する。 一端、互いの目を合わせてから、獣が獲物を捕らえるような目付きに変わった二人、突如 スイッチが入ったように、同時にリツコに襲い掛かったっ! タタタタタタっ ササササっササっ [通背拳]使いの男 「クォォォ、フン フンフンっ!」 [螳螂拳]使いの男 「ちゃぁぁぁ、おちゃ、あちゃ、うぅぅぅあちゃーーーっ!」 [通背拳]の素早さの中にも重さのある拳、片や速度に重みを置き、打撃というよりは、 指先を尖らせ、鋭利な刃物の切れ味、フォークで突き刺すようなピンポイントへの深く 刺さる攻撃の[螳螂拳]が次々とリツコを襲ったっ! 右、左、 左右、右右左右左左右と、次から次へ間髪無く繰り出される拳、 シュッ シュシュッ シュシュシュシュ シュシュシュ 目にも止まらぬ素早い動きのコンビネーションっ! このとき彼らの背後に居た武闘家リーダーの手から 光る ものが見えた。そして何か 動きを見せたそのときっ! 武闘家リーダー ( 何にっ! ) リーダーが叫んだ。 それもそのはず。 この素早い攻撃を、なんとリツコはカスらせること無く、今度は全て きっちりと ものの見事に交わしてしまったのだっ! だが、リーダーの驚きにはもう一つ理由があった・・・。 [通背拳]使いの男 「 ク・・・ 」 [螳螂拳]使いの男 「 ・・・・ 」 最後の[螳螂拳]使いの男の腰を低くしての地を這うような回し蹴りを、彡ピョンと 宙返りして避け、ヒラリとチャイナをなびかせて着地して見せたのだった。さらに リツコ 「ねぇ、私は無手だって言ったぢゃない・・・。 姑息な手を使うのね、リーダーさん。」 なんとリツコは、光るモノを掴んでいた右手を一振りっ! シュッ 彡さっ //スコ //スコ //スコっ! 後方に飛び上がって回避した武闘家リーダー、元いた足元には忍者の使うクナイのような 手裏剣が3本刺さったのだった。 武闘家リーダー 「き、、、きさまぁ・・・・」 ( やつらの攻撃をかわしながら、こ、この手裏剣を素手で掴むだと・・・) スウラン 「いーぞぉー、リツコ♪ 」 チーラン 「リツコにはもったいない、チーラン 相手するっ! 」 リツコ 「ダ~メ。 あなた達は既に3人ずつ楽しんだでしょ この人達は私の獲物~♪」 武闘家リーダー 「ぬぅぅぅぅ、言わせておけばいい気になりおってぇぇぇ・・・・」 黒服の男 「お、おい、は、早くこいつらを片付けろっ!」 武闘家リーダー 「3人同時だっ! やれっ!」 ( 一本の矢では直ぐに折れてしまう・・・・だが、3本の矢なら・・・ ) リツコの眼光が鋭く光ったっ! ズコーーーン★っ!★っ!★ グエっ ふげっ むぎゅ~ ~~~~~~~~~~~彡バタン ~~~彡バタン ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~彡バタン 彡スタン。 武闘家リーダー 「な、なんだとっ !! 」 リツコ 「折れることもあるのよ、3本でも。。。」 スウラン 「やったー! リツコ かっこいいーーー」 チーラン 「・・・一蹴りで。 だからもったいないと言うたのだ。」 リーダー達が目にしたのは、3人が同時に襲い掛かるも、目には映らぬような速さの飛び 上がりながら回転しての右からの豪快な回し蹴りが炸裂した姿だったっ! たったリツコのその一振りで、3人は三方に蹴り飛ばされてしまったのであった。 武闘家リーダー 「ほ、本物だ・・・・。 いや、それ以上・・・・」 起き上がれずに、口から泡を吹く3人。 武闘家リーダー 「き、貴様、どこでそれほどの拳を習ったっ!」 リツコ 「普通に 峨眉拳 だけど・・・。そんなに驚くほどのことではないわ。 あなた達が手ぬるい習い方をしていただけじゃないかしら。」 チーラン ( ぉぃぉぃ ¬.¬;;; ) 武闘家リーダー 「ま、まさか、お、お前は・・・あの[総本山対極試合]の出場者なのか?」 リツコ 「へぇ~、それを口するような素性の持ち主ってことかしらね。 残念ながら違うわ。 それなら私の後輩がその出場権を手にしているけど。」 武闘家リーダー ( や、やはり[総本山対極試合]そのものを知っている・・・。 この腕前でも出場できないとは・・・[総本山対極試合]、なんて化け物揃いの大会 なのだ…) 「その大会に出場している者でなければ・・・おれにも倒せる可能性があるってことだ。」 リツコ 「ふぅ~ん、ものさし代りの探りを入れたってことだったの。 いいわ、論より証拠、相手になるわ。」 -つづく- (よく吼える犬・・・ほど・・・。) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年10月05日 14時06分47秒
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