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■ ドラマ 永久の彼方へ

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2009年11月11日
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 スピーカ キーン コーン カーン コーーーン♪ 音符

 私立青蘭中学校で授業終了の放送が流れた。

久子ちゃん
  「ふぅ~、やっと退屈な授業が終わったわ。」
    (大きく両手を上げてのびをする。)
相ちゃん
  「久子は社会科が苦手だものね。」

 斜め後ろに座っていた相ちゃんと生き生きと会話する久子ちゃん。

久子ちゃん
  「でもさぁ、利江ちゃんも一緒に進学出来て良かったわよね。」
相ちゃん
  「うんうん、二学期の途中から欠席続きで、出席日数がギリギリ・・・。
   試験の成績もよかったからセーフだったみたい。」
利江
  「うん・・・。 でもその間、学校では習うことが出来ないような貴重な体験をしてたの。」
相ちゃん
  「あんなオマケも従えてきちゃうしね。。。」

 三人は教室の後ろで長時間にも関わらずしっかりとお利口さん座り、時にうつ伏せになりと、
 授業の邪魔にならないようにしていたタロを見つめた。

利江
  「タロちゃん、お疲れ様。。。 さっ、行くわよ♪」
タロ
  『 Cuuuuu n 』
    (返事と共にスタっと身体を起こして、利江の横まで歩いてきた。)

久子ちゃん
  「お返事もいい子なのね。」
相ちゃん
  「ちゃんとしつけられている。 お利口さんなんだ♪」
利江
  「何故かなついちゃって。。。 でもそう、とってもいい子なの♪」
久子ちゃん
  「学校に入れてもらえないもの・・・普通・・・。」
相ちゃん
  「よく許可が出たよね・・・。」

利江
  「なんか、国が特別に許可してくれたみたいで。 だからパパも大手振って許可が
   出せたって言ってたわ。」

相ちゃん
  「ふぅ~ん、国がねぇ・・・・。」
久子ちゃん
  「なんで・・・?」
利江
  「それはね、」

ゆうすけ
  「盲導犬の例があるから。
   人の言う事を聞くか、人を襲わないか、食べ物が目の前にあっても我慢できるか。
   大きな音で驚かないか・・・など、特別なテストを受けて許可が出たのさ。
   盲導犬程度の試験ならタロは何の問題もねーよ。 完璧のオール100点さ♪」

 廊下で3人の真向かいから歩いてきたゆうすけが笑顔で話しかけてきた。

久子ちゃん
  「ゆうすけ~♪」
相ちゃん
  「あなたも2年生になれたみたいね。」
ゆうすけ
  「あぁ、出席日数がギリギリで助かったぜ。。。 義務教育とは言え、うちの学校は試験
   の成績だけ良くても進級できないからな。」
利江
  「みんな揃って進級できてよかったわ♪」

久子ちゃん
  「そう言えば、新しい利江の彼氏と一緒じゃないの?」
ゆうすけ
  「あぁ、あいつはちと用があってな・・・。」  (国からの特務で・・・。)
相ちゃん
  「元彼としては利江ちゃんと復縁したいんじゃないの?」
利江
  「そっか、元彼だったんだっけ。。。」
ゆうすけ
  「そんな存在だからね。 まっ、おれには美咲先生が居ればいいってことさ♪」
久子ちゃん
  「あぁぁ、元彼女の前で発言する言葉じゃないわよ。 元々二股だったってことじゃない。」

利江
  『くすくす。。。』

相ちゃん
  「利江、笑い事じゃないって・・・。」
利江
  「いいのよ。 ゆうすけ君とはそんな難しい関係じゃないんだから。。。」
ゆうすけ
  「ってことらしいぜ。」
久子ちゃん
  「あんた達って、変な関係ね・・・。」
ゆうすけ
  「けっ、それだけハートが大人だってことさ。。。」
相ちゃん
  「まっ、私たちを子供扱いしてっ!」
ゆうすけ
  「ひがむなひがむな。 あの美咲先生の大人の色気には、キミ達は一生経っても追いつけ
   ないんだだからさ♪」
久子ちゃん
  「言ったわね~~~~っ!」
ゆうすけ
  「やべっ  タロっ!」
タロ
  『Gao~♪』

 タロは返事と共にゆうすけの側に駆け寄り、そのままゆうすけを背中に乗せて走り出したの
 だった。

相ちゃん
  「もぉ~~・・・」
利江
  「タロちゃんも大変ね。。。」

 『タロちゃんだ~♪』
     『タロちゃ~~ん♪』

 その視線の先には、生徒を掻き分けて走るタロに、周りの生徒から声を掛けられていたタロ
 の姿が。

~~~
   ~~~
      ~~~

 そのころこういちは、国から特務任務の指示を受け、椿と共に東北地方に居たのだった。
 そこは福ノ島県にある猫苗代湖が見えるスキー場。 シーズンを無事に終え、雪解けのゲ
 レンデから春の息吹を感じる草花達が顔を出し始めていた。

椿 勇姿
  「しかし、いったい何故こんなものがここに・・・」

 ゲレンデの斜面の一角を、透明な盾を片手に、自衛隊の爆発物処理班達が厳重に身を固め、
 周りを遠巻きに囲んでいる。
 その円形の中心に処理班長と椿、そしてこういちの三人だけが居た。

 恐る恐る覗き込む椿の目線の先には、爆弾にも見えるミサイルのような翼を後尾に配した
 長い筒形の金属が地面に突き刺さり、その最後尾だけがかすかに太陽にさらされている姿
 が。
 その表面は、鏡のように周りの景色をそのまま反射させ映し出すような材質であった。

爆発物処理班長
  「放射能は検出されていない。だが、爆破も含めどんな危険があるか判らない・・・。
   これは手元の資料に照合しても見当たらない。まったく謎の飛来物だ。」
こういち
  「では、昔の爆撃の不発弾でも、現在自衛隊に配備されている武器、そして認知されて
   いる他国のミサイルの類でもないってことですね。」
爆発物処理班長
  「そうです。」
椿 勇姿
  「するととてもやっかいな物・・・ってことか・・・。」
こういち
  「だからおいらの出番ってことなんでしょ?」
爆発物処理班長
  「その通りです。」

椿 勇姿
  「自衛隊にとってやっかいなもの、我々にだって・・・」

こういち
  「班長さん、重機の足場を作ればいいんですよね?」
椿 勇姿
  「おぃおぃ、そんなの自衛隊ですら手を焼く・・・・」
爆発物処理班長
  「お願いします。」
椿 勇姿
  「ぃゃ、あのぉ・・・」
爆発物処理班長
  「機動各班、全員退去せよっ!」

こういち
  「椿さん、あなたも隊長さんと一緒に避難していて下さい。」
椿 勇姿
  「しかし・・・いくらこういち君とはいえ生身の人間・・・。何か防護とか・・・」
こういち
  「必要ないよ。 身に付ける防具の方がおいらの身体よりも軟弱だもん。」
椿 勇姿
  「うっ・・・、ま、まぁ・・・」
こういち
  「んじゃ椿さんも下がってて下さい。 はじめますよ。」

椿 勇姿
  「あ、あぁ・・・。」



                                 -つづく-




第4-370話 不穏な動き -2 へ
 (違うと思うよ)





  ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。





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最終更新日  2020年09月07日 13時36分45秒
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